「のれん」や「ひさし」をイメージした外観

 外観を設計したのは、谷口建築設計研究所の谷口吉生氏。基本設計と外観のデザインを担当し、鹿島建設と協働して設計した。谷口氏は丹下健三氏の下で経験を積み、東京国立博物館の法隆寺宝物館やニューヨーク近代美術館、京都国立博物館の平成知新館などを手がけてきた。ギンザシックスの外観で特徴的な点はファサードの「ひさし」と「のれん」をイメージしたデザインだ。いずれも古くからの日本の商業施設らしい伝統的な形式といえる。将来、店舗や流行が変化した場合にも、のれんを掛け替えることですぐに対応でき、新しいイメージに変えることができるという。

 内部の商業施設では、キュリオシティのグエナエル・ニコラ氏が共用部分のデザインを担当した。店内に入ると2階から5階まで巨大な吹き抜け空間があり、その周囲を通路やエスカレーターが囲む格好だ。天井の明かりには和紙が施され、日本の障子をイメージした柔らかい光が放たれている。吹き抜け空間の周囲は各階とも格子をイメージしたデザインになっており、格子の一部は各階を斜めに横切るようにした。このため吹き抜け空間を下から見上げると、まるで「らせん」のようにぐるぐると回って、天井に向かって進んでいるようだ。

 「ギンザシックスが持つ強力なエネルギーを外に向けて発信したいと思い、共用部分をエネルギーの渦巻きが吹き抜ける格好にしたかった。風水の考え方も参考にしながら、パワフルなデザインに仕立て上げた」とニコラ氏は言う。このほか、共用部分は銀座や京都にあるような路地をイメージし、メーンの通路から枝分かれするような小さな通路もつくることで、「その角を曲がれば何があるのだろうと思わせるように演出し、街をそぞろ歩きする楽しみが生まれるようにした」(ニコラ氏)。共用部分に設置する椅子も、内部に合わせて新たにデザインしている。入り口も巨大な「行燈」をイメージしているなど、「和」の良さを生かした空間つくりにこだわったという。

商業施設の共用部分は、キュリオシティのグエナエル・ニコラ氏がデザイン。天井に向かって「らせん」のようにぐるぐると回り、ギンザシックスのエネルギーを発信しているイメージ。天井には日本人アーティストの草間彌生氏による巨大な「カボチャ」が期間限定で展示されている
[画像のクリックで拡大表示]
「風水の考え方も参考にしながらデザインに仕立てた」とニコラ氏
[画像のクリックで拡大表示]
共用部分に設置する椅子も、内部に合わせてニコラ氏が新たにデザイン
[画像のクリックで拡大表示]