近年、インバウンド(訪日外国人旅行客)の増加を受け、アジア各国のLCCが次々と日本へ飛来している。特に2015年から2016年にかけて一気に拡充が進んだのが台湾路線。ピーチ、バニラエア、ジェットスター・ジャパンという日系3社に加え、台湾を本拠に置く「タイガーエア台湾」が2015年7月から、「Vエア」が同年12月から日本に就航。しかも、東京(成田・羽田)、中部、関西という主要空港だけでなく、地方空港にまで路線を急拡大させてきた。

 ところがそれから半年で事態は一転した。8月8日、破竹の勢いだった「Vエア」が突如、羽田・茨城両空港からの撤退を発表。さらに翌日には、9月末で全面的に運航停止することも発表された。

 2014年の運航開始から2年、日本市場にいたってはわずか半年で姿を消すことになった「Vエア」とはいったいどんなLCCだったのか。実は記者は、撤退の発表前にVエアに搭乗。日本のエアラインでは考えられない、台湾流の“カワイイ”を前面に押し出したコンセプトに衝撃を受けていた。一体どんなフライトだったのか、振り返ってみよう。

 記者が搭乗したのは、羽田空港を深夜3時に出発して台北の桃園空港へ向かう便。一見とんでもない時刻のフライトのように思えるが、使ってみると意外に便利だった。というのも、終電で羽田空港へ向かえばほとんど待つことなく搭乗手続きが始まり、現地に着くのは朝6時なので、すぐに行動できるからだ。実際、記者は実質日帰りの弾丸旅程で台湾一周の鉄道旅行を楽しんだ。

 Vエアがまずユニークなのは、エアラインの顔ともいえるシンボルマークに、「くまモン」に似たクマのゆるキャラ「Vベア」を使っていること。台湾ツキノワグマがモチーフで、空港内の案内看板、機体などさまざまなところに描かれていてとても目立つ。さらに機内ではオリジナルグッズを多数そろえており、増収を図る意味でもうまい戦略のように思えた。

深夜便なのに搭乗客はそれなりにいた
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チェックインカウンターから「Vベア」を全面展開
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オリジナル弁当箱をセットにした機内食を販売
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オリジナルグッズも多数
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