あの「ロビーカー」もあった!

 機関車の隣に連結されているのは「オロハネ24 551」。北斗星の“目玉”とも言えるA個室「ロイヤル」を車体中央に2室、その左右に2人用B個室「デュエット」を7室配置した車両だ。北斗星には何度か乗ったことがある記者だが、プラチナチケットだったロイヤルとは縁がなく、室内に足を踏み入れるのは今回が初めて。ブラウンのベッドとソファに木目調の壁というインテリアは高級感があり、まさにホテルの1室といった感じだった。一方、デュエットは個室を上下互い違いにした効率的な配置。狭い鉄道車両ならではの雰囲気を味わえる。

「ロイヤル」の室内はシティホテルのような雰囲気
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シャワー室内に引き出し式のトイレや洗面台を備え、コンパクトながらも設備は充実
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「デュエット」上段は室内に階段がある。天井に近いため、窓ガラスは湾曲している
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「デュエット」下段は天井が低く、中央部分以外では立つのが難しい
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 続く車両は食堂車の「スシ24 505」。東川口の「グランシャリオ」と1番違いの車両だ。引退時の状態とほぼそのままで、厨房内には当時の運行時刻表がそのまま残っていた。

食堂車の車内。備品類が片づけられているため、スッキリとしている
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厨房に入ってみた。狭いが、シンクと電熱コンロが向かい合わせで配置されるなど効率的な設計
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厨房には現役時代の資料が残っていた。コース料理の提供時間や、青函トンネルの突入時刻が書かれている
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 その隣は「オハ25 503」。「ロビーカー」と呼ばれた、ソファが並ぶフリースペースの車両だ。「ラストラン直前! ブルトレ「北斗星」の“見るべき7景”を鉄ちゃん記者が徹底解説」でも紹介したが、15年3月からの臨時列車化に際して、7年ぶりに“現役復帰”を遂げた1両のみの貴重な車両だった。当然、15年8月22日の最終列車にも使用され、その後、この地にやってきたという。

ソファが並ぶロビーカー。ここで長時間くつろぐ乗客も多かった
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個室内にシャワーがないB寝台の利用客は、この車両のシャワー券を買い求めて利用した
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シャワー室がある部分の外側には流れ星のロゴマークが大きく描かれている
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 一番端は「オハネフ25 12」。北斗星では最もリーズナブルだった2段ベッドのB寝台車で、車掌室が付いている。「Train Hostel 北斗星」のレプリカと比較すると、やはりベッド幅は狭い。天井の低さや通路の狭さも、やはり建物の中とはだいぶ違う。快適度は高いとはいえないが、雰囲気を味わうなら断然本物の車両だろう。

 施設を管理する広沢商事の大久保勉氏によると、将来的には列車の中で泊まれるような施設にしたいとのこと。ただし、東川口の「グランシャリオ」と同様、空調や水道は新たに設置する必要があり、そこがネックだという。特に厄介なのが寝台車で、個室や区画で細かく仕切られているため1台のエアコンで空調を賄うことが難しい。家庭用のクーラーを個別に付けるのか、もともとある空調ダクトを活用するのか悩みどころのようだ。

 もし宿泊施設としてオープンすれば、熊本県多良木町の「ブルートレインたらぎ」や秋田県小坂町の「ブルートレインあけぼの」に続くブルートレインホテルとなる(他に岩手県岩泉町の「ブルートレイン日本海」もあるが、災害のため休業中)。他の施設と比べると首都圏からのアクセスが段違いによく、注目を集めそう。下館駅を発着する「SLもおか号」と組み合わせて訪れるのも面白そうだ。

ブルートレインを代表する設備といえる2段式のB寝台。ここで1泊できれば、ブルートレインを追体験できそう
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4両連なると迫力が違う。現役時に最も近い展示施設といえる
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(文/佐藤嘉彦=日経トレンディ 写真/都築雅人)