さらに茨城にも北斗星が

 最後に記者が向かったのは、茨城県筑西市。JR水戸線と私鉄の関東鉄道、そして第三セクターの真岡鉄道が交わる下館駅の近くに、人知れず北斗星が保存されていると聞きつけたのだ。しかも、客車だけでなく機関車を含む編成を組んで置かれているのだというから、ファンにとってはたまらない。

 下館駅から車で10分程度の「ザ・ヒロサワシティ」という少し不思議なネーミングの施設に、北斗星はいた。赤い電気機関車EF81を先頭に、青い客車が4両連なっている。現役時よりは短いが、今にも動き出しそうな雰囲気だ。

 ザ・ヒロサワシティは地元で製造業から自動車ディーラー、学校法人の運営まで幅広く展開する広沢グループが開発した複合施設。敷地内にはゴルフ場や農場、クラシックバイク・クラシックカーミュージアムなどがあり、入場は無料だ。北斗星の車両に接するようにホームも作られ、ホームを挟んだ向かい側には、茨城県の第三セクター・鹿島臨海鉄道で活躍していたイベント用のディーゼルカー「マリンライナーはまなす」も保存されている。取材時にはまだなかったが、その後、関東鉄道を走っていたディーゼルカーも保存のために搬入されたという。

赤いEF81型電気機関車を先頭に保存されている。ホームの向かい側は鹿島臨海鉄道の「マリンライナーはまなす」
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 現在は外観だけの公開だが、特別に車内を見せてもらった。まず見学したのは、電気機関車の「EF81 138」だ。上野-青森間で北斗星を牽引していたものと同型だが、北斗星は東京の田端運転所の車両が担当していたのに対して、この車両は青森車両センターの所属。そのため、主に寝台特急「あけぼの」の牽引に使われており、北斗星は臨時で牽引したことがある程度という。ただ、北斗星のヘッドマーク(レプリカ)を掲げているので、違和感はない。

 客を乗せない機関車には小さな乗務員用の扉しか付いていないが、搬入の際に車体の側面に大きな扉を設置。室内いっぱいに積まれていた機器類は撤去され、ギャラリースペースとして使えるように改造されている。そのままだと重さが100トンを超え、輸送が難しかったのも背景にあるという。それでも台車なども含め、トレーラー3台で運んだというのだから恐れ入る。

機器類が満載されていた車内は、広々としたギャラリースペースに
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運転台は現役時のまま。ハンドルや各種スイッチが所狭しと並ぶ
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掲示類もそのまま残されている。青森車両センターに来る前に所属していた長岡運転所の「クリーンな運転席 みんなで協力」というステッカーが面白い
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