実業団形式のeスポーツリーグを目指す

――確かに、うまく立ち回れると全然強くないのに勝つことがあります。

片岸氏: そう。その上で、数を重ねていくとやはり技量の差が出てくる。そして、見ていても面白い。これが大きいかな。この間、女子学生と話す機会があったんですが、3割ぐらいは選手を知っているんです。もちろん彼女らはプレーしないのですが、YouTubeとか見ているんですよね、面白いので。これは興行として形になるなと。実況は面白いし。オフラインイベントもしやすいかなというのがあって……あっ、もちろん、これも「うまくいく」とはほぼ思っていないですよ(笑)。

 それでも形にする以上、商業的に採算が合わないとやる意味がないので、企業の方々にチームを経営していただき、興行として面白くしていく。そのためには、まずは魅力的なプレーヤーが出てこないとダメかなと思います。言い換えれば、そこまでできれば、ゲームプレーヤーを職業にして生活できる生態系ができて、すごく意義があります。

――チーム経営というのは、経営者がプレーヤーを社員として雇う実業団的なイメージですか。

片岸氏: そうです。そうじゃないといけないと思います。賞金を当てにして生活せよ、というのではダメです。PUBGはチーム戦なので、継続的に集まって戦ってもらわなければならない。となると、まずプレーヤーの生活費とかは、チーム経営側が担保すべきだと考えています。「勝ったらお前の取り分はいくらいくらだよ、負けたらゼロね。自己責任で賞金を稼いで頑張れよ」というのはやりたくなくて。

 実業団チームにしたいと思っているので、一般的なeスポーツとは違ったイメージです。その日のゲーム対戦の一発勝負で、これから生活できるかどうかに人生を懸けろ、というのは酷ですね。ちゃんと生活していけるとか、引退した後の再就職先の当てがあるかとか、そういった仕組みがプロのゲームプレーヤーには必要かと思います。

 妙な言い方かもしれませんが、親御さんが、息子や娘が「これを目指す」と言っても「心配だけどまあ、ちゃんとした経営をしているからやらせてみるか」と、安心できるような。究極はそういう絵かなと思うんですね。実業団チームを作ってリーグ戦を行って、市民権を得て、最後はラスベガスのマッチメイクで10億円稼ぐみたいな話まで持っていけたら大成功ですね。そういう興行にしていかないと、夢がないです。

――いつごろから始められるのですか。

片岸氏: 開発元のPUBG Corp.とも話し合いながら、来年には開催できれば良いと思っています。プレーヤーとなるには、やはり12万~13万円するゲーミングPCを持ってないとできませんから、プレーヤーの数はそう簡単に増えないかもしれません。

 将来的にはクラブのような場所でやっても面白いかなと。観客にはお酒を飲みつつ、解放感のある場所で見てほしいという狙いがあります。スポーツバーのようなイメージです。「経営」「チームメンバーを雇用する」などと考えていると、自然とそんなアイデアも出てくるんですよ。あ、もちろん……。

――「うまくいくとは思っていないけれど」ですよね(笑)。ありがとうございました。