「Steam」に憧れて始めたPCゲーム事業

――失敗した事例から学んだこととは。

片岸氏: 具体的には「有限会社に対して1億円プロジェクトは危険だよね」みたいなことです。あとは例えば、「『クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)』みたいなゲームに、すごいニッチなIPを適用して開発したいです」という企画が出てくるとするじゃないですか。でも、それって破綻してますよね。

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 『クラロワ』は非常に多くのユーザーに対して、薄く課金するモデルですが、そこにニッチなIPを当てたら、多くのユーザーが獲得できずにどうやっても投資を回収できないわけです。掛け算、足し算のレベルで間違えているので、却下します。僕はマイナス要素しか担当しない経営者、という感じです。「これ、面白いから絶対やろうぜ!」みたいなことは、あまりやらないです。

――そうおっしゃるわりには、例えば『PUBG』のように、まさか日本であんなに当たると思わなかったゲームを捕まえています。あの嗅覚ってすごいなと思っていました。

片岸氏: あれは現場が優秀だっただけです。ゲーム担当に「いいものだったら取ってこい。開発費は余っているからどんどんやれ」と言っているので(笑)。そこに担当が『PUBG』を持ってきました。僕もプレーして、1日2時間ぐらいやっているんですけど面白かった。

 一方で、僕がすごく弱いポイントは、AppStoreやGoogle Playでセールスが上がっているようなゲームは一切やらないことですね。いわゆるRPGのFree-to-Playみたいなゲームは全くやらないし、あまり詳しくもありません。

 もともと僕は「Steam(※)」にあこがれている重度のユーザーでして。これを何とか日本で形にしたいと思ってこの事業を始めたんですよ。PCゲームは日本でそれほどニーズがないので、逆に、そこから面白いゲームを作れたら、PCゲーム(やSteam)を浸透させられるのではないかと考えているんです。

※北米のゲームメーカーであるValveが、2003年9月に正式サービスを開始したデジタル配信システム。ゲーム購入だけでなく、コミュニティーやニュース配信など、オンラインゲームのインフラとしての機能を持っている
『PUBG(プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)』 (C)DMM GAMES (C)PUBG Corporation. All rights reserved.
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