2000万人規模でテストマーケティング

――DMM GAMESの主戦場は『艦隊これくしょん(艦これ)』をはじめとするPCブラウザーゲームのプラットフォームですが、自社のタイトルも、他社のスマホタイトルも、そのプラットフォームで面倒を見ましょうということですね。

片岸氏: 一番の強みと思っているのは、2000万人規模のPCユーザーが存在しているDMMのプラットフォームでテストマーケティングできることです。新規のIPをなかなか作れないゲーム産業で、2000万人市場でいったん当たりを見て、成長できるか判断できる、というところでしょう。

――DMM会員の比率がPCとスマホで58%と42%、男女比8:2、というお話でしたが、年齢比も含めて最新ではいかがですか。

片岸氏: 比率は変わっていませんね。スマホを含めて全体が伸びました。当社のプラットフォームでは18歳以上に限定しているので、平均値では若干高めだと思います。

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――テストマーケティングの結果を見るための指標は、各社それぞれ同じものを見ているのでしょうか。

片岸氏: まずは事前登録の数で、IPとしての評価がほぼ決まってきます。そして公開後、面白いゲームならば継続率や課金率が上がる。こうした数値が上がらなかったら、正直ビジネスとして継続できません。事前登録数は非常に重要ですが、「息長く続いていくようなタイトルかどうか」というところの判断が、一番大事だと思います。

 初動が見えてきたところで、Free-to-Play(無料でプレーできる)ゲームはここから先が大変です。運営スタッフが常時10人以上は必要ですから、全員の給料をきちんと維持しようとすると、ユーザーの方々にアイテム、キャラクターを買いながら遊び続けてもらわないと売り上げが立たない。それぞれのゲームタイトルが、一軒一軒ラーメン屋さんを経営しているようなもので、赤字経営になったら閉じるしかないみたいな状況になる。

毎年100億円を新規ゲーム開発に投資

――ユーザーの動向を毎日追いながら運営を続けるのは、スタッフのモチベーションの維持が大変という話も聞きます。対策はありますか。

片岸氏: 当社の場合、Free-to-Playのゲームの内製タイトルは10%もないので、実はそこの苦労を知らなかったんです。開発メンバーと運営メンバーを分けたり、「(新規登録の)初速はすごくいいんですけど、イベントが超下手で……」みたいな、開発が得意で運営が苦手な会社さんの場合は、開発完了後は運営が得意な会社さんに譲渡させてしまったりということも、現実としてあります。

――DMM GAMESとしては、開発、運営、どちらが得意ですか。

片岸氏: 我々は自社タイトル数が少ないこともあって、どうしてもプラットフォーム、パブリッシャーとしての考え方が強く出てしまいます。僕自身、もともとゲームを作ったことがありません。石川県加賀市のレンタルビデオ店の店長からコツコツやってきて、今は世界を相手にゲームを販売していますが、実のところ、分母は大きくなっていても、やっていることはあまり変わっていないんです。

――面白いですね。

片岸氏: 投資を考えるとき、レンタルビデオ店のときは仕入れ率(新作ビデオを仕入れる比率)を「売り上げの3割」と決めていました。ゲームの場合は3割とまでは言いませんが、毎年100億円分は新作ゲームに投資しましょうか、と。ゲームは大好きなんですが自分たちは作った経験が少ないので、逆に、プラットフォームの観点でゲーム業界に寄与できたらと考えています。

――なるほど。「このゲームはいけているな」とか、「このチームはいけそうだな」とか、判断基準はあるのでしょうか。

片岸氏: それはもう、失敗した投資の経験の累積がありますから(笑)。多いときは年間100本程度の投資案件を決裁していますので、「こういう事例で失敗した」というノウハウが大変な数になって積み上がっています。逆に失敗した事例しか見てないですね。「当たりそう、当たらなそう」という判断は基本しませんね。