ディープラーニングと切り離せない、スパコンの存在

 みなさんは、スパコンという言葉を聞いたことがあるだろうか? スパコンとはスーパーコンピューターの略で科学技術計算などを目的とした大規模なコンピューターのことだ。気象予報、創薬、材料開発などその用途はさまざま。日本国内では、理化学研究所の「京」や東京工業大学の「TSUBAME」が有名だ。

世界最高レベルの性能を誇る、東京工業大学のスーパーコンピューター「TSUBAME3.0」(画像提供:東京工業大学) 
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 スパコンは、GPUなどの半導体を使って計算処理する。その性能を高めようとすると、その分、電力消費も多くなる傾向にある。そこで、企業や大学、研究機関などが使うスパコンの消費電力効率の高さを競う「Green500」というランキングがある。毎年2回ランキングが更新され、最新のランキングは今年の6月(2017年6月)に発表になった。このランキングで上位をとることは、計算性能が高く、かつ電力消費を抑えたエコで優れたスパコンを所持している機関であるということを意味する。

ランク システム名称 所属 GFlops/W
1 TSUBAME3.0 東京工業大学 14.11
2 kukai Yahoo! JAPAN 14.05
3 AIST AI Cloud 産業技術総合研究所 12.68
4 RAIDEN GPU subsystem 理化学研究所 10.6
5 Wilkes-2 University of Cambridge 10.43
6 Piz Daint Swiss National Supercomputing Centre (CSCS) 10.4
7 Gyoukou 国立研究開発法人 海洋研究開発機構 10.23
8 Research Computation Facility for GOSAT-2 (RCF2) 国立環境研究所 9.8
9 NVIDIA DGX-1/Penguin Relion 2904GT Facebook 9.46
10 NVIDIA DGX SATURNV NVIDIA 9.46
毎年2回開催する、世界中のスパコンの消費電力効率の高さを競う「Green 500」の最新ランキング(1~10位、2017年6月発表)
※Green500の発表をもとに作成


 1位は東京工業大学の「TSUBAME3.0」、2位にはYahoo! Japanの「kukai」というスパコンがランクインしている。それ以外の順位も理化学研究所や産業技術総合研究所、海洋研究開発機構、国立環境研究所など日本の研究機関のスパコンがランクインしており、上位を日本が独占したことで注目を浴びた。

 この結果を別の視点から見てみると、スパコンとディープラーニング開発のつながりが見えてくる。2位のYahoo! Japan、9位のFacebook、10位のNVIDIAは民間企業で、いずれも現在AIの研究開発、とりわけディープラーニングの開発に力を入れている企業。ランクインしているその他の研究機関でも、実はAI開発を目的として作られたスパコンがほとんどだ。AIの研究開発を行う企業や研究機関が、Green500という世界ランキングにランクインする規模のスパコン投資を行い、研究開発を加速させようとしている事が分かる。