ディープラーニング=膨大な計算

 ここまで紹介したいくつかの事例、その共通点はもちろんディープラーニングを活用していることだ。そして、ディープラーニングに必要な膨大な計算を行うために、NVIDIAのGPUを利用していることも共通している。

 GPUは「グラフィックスプロセシングユニット」の略で、パソコンの画面に高精細な画像を描くためのハードウエアとして生まれた。特に、高い3次元(3D)グラフィックス性能が求められるゲーミングPCに、GPUは欠かせないものだ。そのため、GPUを「ゲーム用プロセッサー」と認識している人もいるだろう。

 しかし、3次元グラフィックスの座標変換処理といった計算を並列に処理する能力に秀でたGPUは、グラフィックスの枠を超えて「汎用的な計算処理のアクセラレーター(加速装置)」として活用されるようになった。これが「GPUコンピューティング」と呼ばれるものだ。

 GPUコンピューティングは2006年頃から本格化し、今では世界のトップレベルのスーパーコンピューターもGPUを搭載している。そしてここ数年、GPUはディープラーニングにおける大量の学習データ処理に非常に有効であることが見い出された。もはや「ディープラーニングにはGPUが必須」といっても過言ではないのだ。

 ディープラーニングにGPUが果たす役割については、次回以降に詳しく解説する。「その解説が待てない!」「俺はもっとハイレベルなことが知りたい!」という人は、2017年5月8日から11日に米国カリフォルニア州サンノゼで開催される「GPU Technology Conference(GTC)2017」に飛んでいただきたい。AI・ディープラーニングだけでなく、HPC (High Performance Computing)、VR(Virtual Reality)、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)などに関する最新の研究成果や事例情報を発表するイベントだ。世界中から集まる研究者、エンジニアとの交流、400以上のテクニカルセッション、ディープラーニングを実機で学べるハンズオンラボなど、盛りだくさんのプログラムが用意されている。4月5日までは、早期割引が受けられる。

(構成/原田英生)

佐々木 邦暢
エヌビディア エンタープライズマーケティング部 マーケティングマネージャー
氏名1998年に東海大学工学部動力機械工学科を卒業後、株式会社JIECで大規模オンライン証券サイトの設計・構築に従事。2004年からは日本マイクロソフト株式会社でミッションクリティカルシステム、サーバー仮想化、クラウドコンピューティング及びHPCのセールス・コンサルティングを担当。2016年NVIDIA入社。ディープラーニング、HPCのマーケティング活動を推進中。