2016年末、米調査会社のSuperData Researchは、2016年の全世界のゲーム市場は過去最大の910億米ドル(114円換算で10兆3740億円)に達したという調査結果を発表した(詳細はこちら)。市場の牽引役は、市場規模406億米ドル(4兆6284億円)と推定されたモバイルゲーム(スマートフォンゲーム)市場だった。

 『ポケモンGO』(Niantic)の登場や『クラッシュ・ロワイヤル』(Supercell)のヒットなどによって、市場が成長したと同社は見ている。実際、ポケモンGOは日経トレンディが選ぶ2016年ヒット商品として1位を獲得するなど、そのインパクトはゲーム業界だけではなく、日本市場全体に影響を与えた。スマートフォンゲームが大きな渦として、ゲーム・ビジネスを揺り動かしていくことは間違いない。

 また、同調査では、PCゲーム市場358億米ドル(4兆812億円)、家庭用ゲーム市場66億米ドル(7524億円)、ゲーム映像配信市場44億米ドル(5016億円)、VR(仮想現実)ゲーム市場27億米ドル(3078億円)と推定した。この中でも成長著しいのがVRゲーム市場だ。ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2017年2月27日、「PlayStation VR」(PS VR)91万5000台をワールドワイドで販売したと発表。現在も品薄状態が続き、ネットでの予約販売もままならない状況だ。

 すでに販売されているカプコンの『バイオハザード7 レジデント イービル』、今夏発売予定となっているバンダイナムコエンターテインメントの『鉄拳7』など、PS VRに対応した人気タイトルが出そろってきており、ハードとソフトの両輪が動き始める条件が整っている。2017年はVRゲームマーケットがより活性化しそうだ。

 任天堂の新型家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」にも期待がかかる。発売初日にあたる3月3日の販売動向を見るかぎり、売り切れとなる店舗もあり、滑り出しは上々だ。新しい遊び方を提案するテレビCMをはじめとしたプロモーションなどによって、「Wii」のときのようにファミリー層やライトゲームユーザーに訴求できるかが、今後の鍵を握る。また、世界ではどのように評価されるのかにも注目が集まっている。

 さらに、2017年、日本のゲーム業界で耳目を集めているのがeスポーツ市場の動向だ。SuperData Researchは昨年、全世界で9億米ドル(1026億円)規模とし、2019年には14億米ドル(1596億円)まで安定成長すると見込んでいる。本格スタートしていない日本市場において、ゼロから立ち上がるeスポーツ市場がどのように成長していくのか、今後の展開が楽しみだ。

 ネットワークによるデジタル配信型のゲームタイトルが増え、販売動向からユーザー属性、遊び方などの情報を瞬時に見通せるようになってきた。それによって、世界のゲーム市場のトレンドや地域ごとの特性など、さまざまな要因を捉えて、全世界レベルでゲーム開発や運営、販売、プロモーションなどの施策を実施できる環境ができつつある。

 新しいゲームプラットフォーム、VRのような周辺機器、eスポーツのような新しいゲーム・ビジネスなどゲーム企業を取りまく環境を変動させる要因も増えるなか、この変化をどのように捉え、次の飛躍に向けて取り組むのか。日本を代表するゲーム企業トップに聞いた。

(文/「進化するゲーム・ビジネス」取材チーム)