2016年は『妖怪ウォッチ』や映画などを多数展開

――昨年のインタビューで「2016年は『妖怪ウォッチ』シリーズにとって区切りの年になりそう」とおっしゃっていた通り、7月に『妖怪ウォッチ3 スシ/テンプラ』、12月に『妖怪ウォッチ3 スキヤキ』と2本のゲームを発売。12月には『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』が公開されました。アニメーションパートと実写パートとを登場人物が行き来するという斬新な設定でしたが、こうしたアイデアはどこから生まれたのですか?

日野晃博社長(以下、日野氏): 『妖怪ウォッチ』の映画は年に1本ずつの公開ペースを守りたいと考えているのですが、そのスケジュールで実写パートを挿入するとなると40分しか作れないと言われたんです。その40分しか使えない実写パートをうまく使って1つのお話にするに当たり、オムニバスのようなやり方も考えられたのですが、それでは前作(2015年12月公開の『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』)と同じなのでちょっと変わったやり方でやろうということになったのです。

――実写とアニメを融合させたいというところからアイデアが出てきたということですね。

日野:  ただ、実写パートを作るに当たってはいろいろ大変でした。そもそも実写パートとアニメパートでは演出上の違いがあって、自分が思っていたようなシーンになっていなかったりするんです。例えば、実写とアニメでは“間”がやっぱり違うんですよね。実写だとどうしてももたついているように感じてしまうというか。どうやったらアニメのようなテンポ感を持たせられるかは、すごく悩んだところでしたね。テンポ感がなくなると『妖怪ウォッチ』らしさもなくなるので。試行錯誤の結果、何とかテンポの速い映像になりました。分からないことは結構多かったですが、実写はやっぱり面白い。挑戦して、僕はかなり良かったなと思っています。

 今年の12月に公開予定の映画『妖怪ウォッチ』第4弾でも、新たな挑戦をします。映画はやっぱりエンターテインメントとして面白いことをやらないといけないと、常に考えています。かなり冒険的なので、いつもは僕がシナリオの大筋を書いた後、細かく詰める作業は別のスタッフに任せたりするんですが、次回の映画は1人で最後まで書き上げました。あまりにも冒険的なので、いわゆる『妖怪ウォッチ』だと思って観るとびっくら仰天ですね(笑)。新しいエンターテインメントとして楽しんでもらえるはずです。もちろん『妖怪ウォッチ』ですから、大人も子供も楽しめます。近日中には、具体的な情報をお出しできると思います。

『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』。アニメパート(左)と実写パートから構成されている
(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト2016
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――ゲーム『妖怪ウォッチ3』は、『スシ/テンプラ/スキヤキ』の3タイトルを合計して、200万本以上の売り上げという結果になりました。

日野:  やっぱり『妖怪ウォッチ2』(2014年7月)のころよりは、だいぶ落ちついているというのが正直なところですね。関連商品の売り上げもそれに伴っています。要因は1つで、『妖怪ウォッチ2』の大ブームのときは、小学生だけでなく、もっと上の人たちまで購入者層が広がっていました。それが、時間がたつにつれ、子供向けコンテンツというイメージになってきている。200万本はゲームとしては十分ヒットしているといえる数字ですが、今後もゲームをビジネスとしてやっていくには、その上の層をしっかり取り返さなければならないなと、いろいろ考えているところです。

――コンテンツとしては完全に定番化しています。

日野:  そうですね。ただ僕は、定番化や安定収益化にはあまり価値を見い出していないんです。おかげさまでテレビアニメの視聴率は好調なのですが、ゲームも売っていかないといけないわけですから、毎回違う面白いことをしてソフトや商品を買いたいと思ってもらわないと。だから『妖怪ウォッチ4』は、いろいろ趣向を凝らしたものにしなきゃいけないと考えているところですね。今年公開の映画から、新しい流れが始まるはずです。

『妖怪ウォッチ 3 スシ』
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『妖怪ウォッチ 3 テンプラ』
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『妖怪ウォッチ 3 スキヤキ』
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