“熱量”を持ったユーザーの消費に応えるボリュームが必要

━━まず、コロプラにとって2016年はどのような1年でしたか。

森先一哲取締役(以下、森先氏): 英国のEU(欧州連合)離脱や米国でのトランプ大統領の誕生など、世の中全体で見れば非常に慌ただしい1年だったという印象ですが、スマートフォンゲーム業界でも『ポケモンGO』や任天堂の『スーパーマリオラン』など、これまでとかなり異なる動きが出てきた年でしたね。こんなことが起こるのか……と思うような変化だったと思います。その中でコロプラは何をしていたか、と考えてみると、2016年は一昨年の勢いを引き継いで順調にスタートしましたが、後半は外的な市場変化に対応すべく内的な変化を模索した1年でした。

 新作スマホゲームを3本リリースし、これまでと同じ運用を続けていたのですが、お客様の動きに大きな変化がありました。例えば2016年6月に『ドラゴンプロジェクト』をスタートしたところ、想定していた以上の“熱量”を持ったユーザーの方たちに遊んでいただくことができました。ゲーム好きの人たちは遊ぶペースが非常に早いので、次から次へとコンテンツを消費します。次第に楽しむものがなくなってくると、当然、他のゲームに流れてしまうというサイクルが生まれます。

 コロプラのゲーム運用の強みは、リリースした後に投入するイベントを生かした楽しませ方にあると思っていたのですが、ユーザーの方々の熱量とペースは想定を超えていました。当時、我々がリリース前に用意していたボリュームでは、追い付かなくなっているのだなと痛感しました。今後ゲームをリリースするときには、最初の段階で十分遊んでもらえるだけのコンテンツ量を用意しておく必要があるなと改めて思いましたね。

━━そうした現象が起こった理由はどこにあると思いますか。

森先氏: いろいろな要因が重なっていると思いますが、一つはスマホでゲームを遊ぶ人の増加により、リリースされるゲーム全体の本数が増えたことです。新作が出ればまず飛び付いてみて、一気に遊び切らないと他のゲームも遊べません。たくさんゲームが出てきますから、熱心なユーザーの方たちは遊ぶペースも早くなります。

 もう一つは、より高度なゲームの運用方法が求められていることです。数年前までは、ユーザーの方々の動向を見ながらゲーム内のパラメーターを調整する方法でも、さほど時間をかけず運用できました。

 しかし、昨今のスマホゲームは開発段階やリリース後の運用でもコストがかかるようになり、さらにその内容は非常に難易度が高くなっています。そういう状況では、ユーザーの方々の動きが加速した場合に、即座に反応できる開発・運用体制がうまくかみ合わなくなる状況が起こり得ます。これまで以上に注意深くユーザーのみなさんの動向を見ていく必要性を感じています。

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