2017年3月期第3四半期時点の業績は、通期の見通しで売り上げが2500億円を超え、前年比16%増以上になると発表したスクウェア・エニックス。営業利益も前年比で最大約27%増になると見込んでいる。その原動力となったのは『ファイナルファンタジーXV』や『RISE OF THE TOMB RAIDER』などの看板タイトルだった。スマートフォン向けゲームでもファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどの大型IP(ゲームのタイトルやキャラクターなどの知的財産)を軸としたネイティブアプリが事業の底上げになったという。グローバルマーケットで存在感が増してきた同社の展望について、松田洋祐代表取締役社長に話を聞いた。
(写真:稲垣純也、聞き手:渡辺一正)
販売戦略上、世界同時発売が重要になっている
――年頭所感では、2016年は可能性が見えた年だったと振り返りました。
松田洋祐氏(以下、松田氏): 家庭用ゲーム機の分野では、2016年11月に『ファイナルファンタジーXV(FFXV)』が発売になったことが大きいですね。一方、スマートフォン向けゲームは、2016年前半は苦戦しました。しかし、あまり悲観的にならず、新しいタイトルをどれだけ出せるか、という挑戦を継続的に行わなければならないと思っています。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのゲームに対しても、『ポケモンGO』のような新しい技術と有力IPを組み合わせた遊び方が出てきていることに触発されています。
『FFXV』は世界で600万本(2017年1月10日時点、パッケージ出荷数とダウンロード販売数の合計)の販売を記録しました。600万本という数字を、どのくらいの速度で達成できるかが1つの重要なポイントだと考えていました。今回、発売1カ月強というこれまでのFFで一番短い期間で600万本を達成できたのは、世界同時発売の成果だと考えています。特に北米での販売が順調で、継続的に売れています。
――世界のゲームマーケットの動きはいかがですか?
松田氏: 今回の『FFXV』は家庭用ゲーム機向けに販売しているので、各地域ともプラットフォーム(「PlayStation 4」「Xbox One」)の普及台数に合わせた動きになっています。パッケージ販売とダウンロード販売という切り分け方をしてみると、北米市場では2割超がダウンロード販売でした。これは他の地域より高い割合ですね。この2年ぐらいでダウンロード販売の比率が高まっていて、欧米市場では半分くらいになっているタイトルもあるそうです。
もともと欧米市場は長期にわたって売れ続ける傾向が強いのですが、ゲームタイトルのアップデートや追加ダウンロード・コンテンツ販売などの施策を増やすことで、ゲームタイトル自体のライフ・タイム・バリューの最大化に取り組む計画です。
プロモーションやマーケティングなどのやり方も変わってきていて、事前にどれくらい口コミが広がるか、話題に上るかが重要ですね。YouTubeなどの動画サイトでの広がり方には注目していて、視聴数や再生回数などの数字を一つの指標として注目しています。
マーケティングの側面からも世界同時発売は重要です。ゲームユーザーの皆さんは最新のゲームをいち早く遊びたいとお考えでしょうから、地域によって時間差を設けることは望ましくありません。例えば、あるタイトルを日本で先行販売すると、海外のユーザーさんが途端に興味をなくすことが間々あるんですよね。「もう発売済みで、ずいぶん前に出した古いタイトルでしょ」というレッテルを貼って興味を失ってしまうんです。地域によって発売時期の差を作らないことは大事なのです。特にストーリーを重視するようなRPGやアクションアドベンチャーなどは、世界で同時に発売しないと売れ行きは厳しいですよね。
また、ユーザーさんが自分のゲームプレーを動画でシェアし、それによってバズが起きて、そのゲームタイトルがさらに注目されるという循環も発生します。その話題性が、ゲームを販売する上で重要になってきています。
―― 一方で、各地域の特性を合わせた“カルチャライズ”も必要ではありませんか。
松田氏: いや、そんなことはないですね。中途半端にゲームの内容を変更するカルチャライズをするくらいなら、純日本産のタイトルとして振り切って作った方が評価されます。自分たちのオリジナリティーを大事にしないとダメだと思います。
テンプレ化したスマホゲーム作りはもう通用しない
――Nintendo Switch(以下Switch)対応のタイトルの発売は、結構早かったように思います。
松田氏: Switchの発売に合わせて、『ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch』と『いけにえと雪のセツナ』を発売しましたし、『みんなでワイワイ!スペランカー』や完全新作の『Project OCTOPATH TRAVELER(プロジェクト オクトパストラベラー)』も今後発売することを発表しました。
Switchに強い興味を持っているクリエイターは、どういう遊びができるか挑戦したいと意気込んでいます。プラットフォームが増えるということは、コンテンツメーカーにとってはいいことです。Switchにはぜひ成功してもらいたいです。新規タイトルの開発はもちろん、既存のゲームタイトルでも可能なものはどんどん移植したいと考えています。
任天堂さんはいろいろな遊びを提案されます。Switchの特性を生かして「えっ?」と驚くような遊び方を提供する会社はほかにもあるかもしれませんね。ただ、われわれにはわれわれのやり方がありますから、Switchの機能を生かした自分たちが得意なゲームを作っていきます。
――2016年前半のスマホゲームビジネスは厳しかったというお話でした。
松田氏: 2016年度上期にリリースしたタイトルは総じて苦戦しました。お客様の目が肥えてきていますし、市場としては成熟したといわれています。しかし、「成熟=衰退」ではありません。当たり前の話ですが、そのゲームがほかと違って何が面白いのかということがストレートに問われるようになっただけだと思います。
これまではスマホゲーム市場が成長し続けていたので、テンプレートというか、成功の方程式みたいなものが存在していました。このパターンのゲームとこのパターンのゲームを掛け合わせるとこうなります、というもくろみが当たることが多かったわけです。しばらくは、そのやり方で成長していけるゲーム会社があったかもしれません。ところが、今となってはそういうやり方は通じないですよね。
スマートフォンの記憶容量に限界もありますし、お客様のプレー時間の取り合いにもなっています。まずはスマートフォンの中にゲームをダウンロードしてもらわなければならないし、それまでに遊んでいたゲームからその座を奪い取らなければならない。それには他社のゲームと何が違うのかを突き詰めなければならないわけです。
だから、今年のテーマは「Something Else(ほかと違うもの)」にしています。ほかと違うものがないとダメだと、社員には話しています。商品企画・開発とは本来そういうものですから。しかし、いつの間にか、何かのパターンと何かのパターンを掛け合わせて、「×××風」のゲームにしたという企画が多くなった。スマホゲームの黎明(れいめい)期なら、それで済んだかもしれませんが、それはもう過去のものです。
今はゲームをきちんと作れる会社が求められているのです。最近のスマホゲーム市場で優勝劣敗がハッキリしてきたのは、しっかりとしたゲームであるかどうかが見極められているからではないかと思います。標準化して、テンプレート化して、を繰り返していくと、ゲームはつまらなくなっていく。コンテンツとしての質を問わずに、単にKPIのみを重視して開発・運営すれば成功するという時代は終わって、「Something Else」が当たり前に求められるようになったのです。
――そうなるとコストや開発期間など、どんどん増加していくことになりませんか。
松田氏: そういう見方もありますが、そこは、ゲーム会社としての力量が問われるところです。お客様の期待を上回るような新しい体験を提供できるか、そこにかかっています。そうして切磋琢磨(せっさたくま)して開発して、新しいゲームを作りだした企業が業界をけん引していく。その繰り返しだと思うんです。そういう意味では『ポケモンGO』の登場など想像がつかなかったし、それを見てからは逆に自分たちの強みを生かして勝負していかなければならないと意を強くしました。
スマホゲームは世界同時発売を意識しない
――国内外のスマホゲーム市場の特性を考えて、タイトルの開発を切り分けることもありますか。
松田氏: スマホゲームの場合、売り上げだけで見てみると中国、日本、北米市場で世界の80%程度のシェアになっている。他の地域は、個別に見ればかなり小さいマーケットなんです。この傾向はここ10年間変わっていないし、さらに10年後にガラリと変わっているかというとそうとも思えません。インドなどの新しいマーケットが急成長することもあり得ますが、現在のスマホゲーム市場を占める国々は、そのままだと思います。
そうなると、スマホゲームでは無理に世界同時発売を意識する必要はありません。中国市場を考えたビジネス、米国市場を考えたビジネスをそれぞれやっていかないといけない。加えて、これまで実態が見えていなかった新興国の動きも注視する必要があります。
――中国市場では、Perfect Worldと協業されています。
松田氏: そうですね。Perfect Worldさんとは、スマホタイトル『最終幻想 覚醒』などで協業しています。ただ、1社に限定しているわけではなく、タイトルごとに最適なパートナーを選んで、複数の中国企業とビジネスしています。
――中国市場で成功するのは難しいとよく聞きます。
松田氏: 何をもって成功とするのか、という点があります。例えば、現地法人を設立して、ものすごく利益が出たら成功なのか、リリースしたタイトルが売れているのが成功なのか。われわれはまだ中国市場で大きな売り上げをあげているわけではありませんが、もしトップセールスに入ればかなり大きな収益になるでしょう。そのためにタイトルごとに最適なパートナーを選んで、中国市場でのビジネスを深めていきます。
『最終幻想 覚醒』の場合はPerfect Worldさんですし、『乖離性ミリオンアーサー』はNetEaseさんと展開しています。NetEaseさんは、今非常に勢いがありますね。中国市場で展開するときは、自分たちでタイトルをアレンジして持ち込もうとしても成功しないことが多いので、こうしたパートナーさんにアセット(ゲームのデータなどの資産)やIPを渡して、彼らのやり方で調理してもらいます。中国人のプレースタイルとか、課金のやり方などは日本市場と一致するわけではありませんから、知見のないわれわれはパートナーにお任せするというスタンスです。
――ほかに新興国マーケットで気になっているところはありますか。
松田氏: サウジアラビアや、アブダビ、ドバイといったアラブ首長国連邦(UAE)など、中東地域ですね。人口も多いのでかなり大きなマーケットです。ビジネス面のスムーズさ、国民所得などの面で安定的だと考えています。そのほかに、近年ビジネス的に盛り上がっているメキシコにも注目しています。
India Gaming Showでインドゲーム市場の萌芽を実感
――2月上旬に開催されたインドのゲーム展示会「India Gaming Show 2017」(ニューデリー)に参加されたという話ですが。
松田氏: 5年ほど前にインドに行ったときと比べて、ずいぶん雰囲気が変わったという印象です。インドは教育熱心な国で、当時は、テレビゲームは教育によろしくない、というムードだったんです。インド社会がゲームを受け入れてくれるだけの素地がまだないのではないかと、当時はそんな感じがしました。映画やテレビなどと違って、ゲームに対するネガティブなイメージがあったようです。
ところが、今回はBtoB、BtoCのゲーム展示会をインドで開催するということで、インド政府から経済産業省に後援の依頼が正式にあって、CESAやゲーム会社が出展するという方向で話が進みました。インドでは2014年9月にモディ政権が「Make In India(インドで作る)」という方針を打ち出したこともあり、前回の訪問時と違ってテレビゲーム産業をインドで盛り上げようという動きになっているのかもしれません。われわれもインドマーケットには前々から興味がありましたから、インド政府・日本政府の後押しがあるなら出展してみようか、ということになったのです。
もし前回から風向きが変わってきているなら、約13億人というインドマーケットのポテンシャルは巨大です。若者も多いし、経済成長も非常に勢いがあります。経済が成長すれば最終的にエンターテインメントが必要になります。映画、音楽などに続いて、ゲームにも当然目が向けられることでしょう。今がまさにそのタイミングなのかもしれません。
実際に出展して、現地メディアや流通担当者などから、社会的な構造が変化し、世代交代によってゲームに対するネガティブな見方が少なくなっていると聞きました。子どものころゲームで遊んでいた世代が消費層の中核となってきて、政府の方針とも重なり、流れが変わってきたのだと理解しています。
また、流通網も大きく変わってきたそうです。インドの地場のeコマース・ベンチャー企業が急伸していて、それを利用する人が増えているというのです。ネット通販が増えてくれば、われわれがゲームビジネスをする上で基本的な環境が成立してくるのではないかと見ています。
――どんなゲームが遊ばれているんでしょうか。
松田氏: 圧倒的にスマートフォンとパソコン(PC)が多く、家庭用ゲーム機は関税が高いためまだ十分普及していないと聞いています。スマホゲームはFree to Play(基本無料)形式で、PCは有料ソフトを購入するというスタイルのようですが、流通網が変わり、支払い方法も電子化が進むと、消費マーケットとして急速に立ち上がる可能性もあります。
言語対応も、英語が公用語ですから、必ずしも現地の言語(ヒンズー語など)にローカライズしなくても、ゲームを展開できます。そういう意味では、着実にビジネスの環境が整ってきているといえます。後は、4G回線などネットワークのインフラ整備が、どの段階で普及するかなどにかかっていると思います。突然大きなゲームマーケットに変わる予感はありますから、今後は、そうしたトレンドも意識して、もう少し販売に力を入れる必要があるんじゃないか、と思っています。
「アベンジャーズ」を題材にしたオリジナルゲームを開発
――VR関連のタイトルはどのような動きになっていますか。
松田氏: 東京ゲームショウ2016のブースにも出しましたが、『プロジェクトHikari』という試作品は2017年に商品化したいと考えています。そのほかにも、『乖離性ミリオンアーサーVR』というタイトルを2017年春にリリースする予定です。
VRについては、タイトルごとにVRを使ったコンテンツが成立するか検討してもらっています。中には、VR化する必要がない既存タイトルもあると思います。ポイントは、VRのためにゲームを作るのではなく、VRはあくまでもゲームを面白くする1つの要素ということ。VRで面白くなるなら、活用すればいいというスタンスです。
『プロジェクトHikari』のようにVRであってVRではない……といった発想で、他の会社と違うものをやった方がいいと思っています。ゲームを面白くしようと考えていたら、VRが必要になったというくらいの考え方で進めています。
――『FF』は今年30周年を迎えます。
松田氏: 2月6日から開催された「さっぽろ雪まつり」で『FF』の雪像を作ったのを皮切りに、今年は1年を通して、いろいろな企画を用意しています。例えば、リアル脱出ゲームとFFXIVがコラボした「大迷宮バハムートからの脱出」以外にも、『FF』キャラクターを使った『モンスターストライク』とのコラボ企画、日清食品さんとのカップヌードルのコラボ商品販売といった他社との共同企画もあります。
ゲームタイトルも2月にスマホゲームの『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』をリリースしたほか、6月にはオンラインゲーム『FFXIV』の拡張パッケージ『同 紅蓮のリベレーター』を、7月にはPlayStation 4用の『FFXII』を再構築した『同 ザ ゾディアック エイジ』を発売する計画です。これから発表する企画もありますので、楽しみにしていただきたいと思います。
――今年、世界的に話題になっているところでは、米マーベル・エンタテインメントと契約したという発表がありました。
松田氏: 1月末に、米マーベルの『The Avengers(アベンジャーズ)』をベースにしたオリジナルゲーム第1弾を開発中だと発表しました。制作スタジオはスクウェア・エニックス・グループ海外スタジオの米Crystal DynamicsとカナダのEidos Montrealです。今回のゲームタイトルは新作映画のタイアップ企画ではなく、『アベンジャーズ』を題材に完全オリジナルのハイエンドゲームを作りましょうという話で動き始めたプロジェクトです。
近年、米ワーナーブラザーズさんの『バットマン:アーカム』シリーズのようなハイエンドゲームでの成功例が出ています。こういう流れを踏まえて、『トゥームレイダー』や『デウスエクス』などのハイエンドゲームを作ってきた当社グループのスタジオとの間で、話が進んだ結果です。『トゥームレイダー』を開発していたチームが『アベンジャーズ』を全力で作りますので、相当な作品になると思っています。
発表と同時に、ティザー映像をWebに公開したんですが、国内外の当社公式のソーシャルメディアだけでわずか1週間の間に3000万ビュー以上ありました。とんでもない数字で、その反響の大きさにとても驚きました。
――非常に早い段階で発表されたのではないですか。
松田氏: 本格的な制作態勢(プロダクションフェーズ)に入ったところで、これから外部企業に協力依頼などをしていかなければなりません。一度オープンにしておかないと情報管理が難しく、タイミングを見て早めに発表しておこうと話し合って、1月末になりました。早めに発表することで、このプロジェクトに参加したいというクリエイターがたくさん集まってくれることも期待しています。 AAA級の大型タイトルですので、どうぞご期待ください。
海外向けにアーケードゲームの実況配信を計画
――2017年のトピックについて教えてください。
松田氏: 2017年は、新しいゲームプラットフォームがいくつか出てきます。任天堂さんのSwitchをはじめ、米マイクロソフトさんの新型家庭用ゲーム機「Project Scorpio(スコルピオ)」もいよいよ出てきますしね。
PC業界にも注目しているモノがあります。Windows 10の「ゲームモード」のような新機能や、米GoogleのAR技術「Tango」などの新しい技術を取り込むことで、どんな面白いゲームができるのか――どん欲に探求したいと思います。
直近で注目しているのは、やはりSwitchですね。立ち上がりは非常に良いと聞いていますので、大いに期待しています。
それから、スマートフォンゲームではネイティブゲーム(ゲームアプリ)が全盛ですが、ブラウザーゲームにも注目しています。HTML5を使えば、新しい形のブラウザーゲームも開発できると思います。ブラウザーゲームは、Apple StoreやGoogle Playに加えて新たなマーケットプレイスになる可能性があると期待しています。そのため、3Dや新しい表現力を組み込めるHTML5について、かなり注目しています。
――eスポーツについてはいかがですか。
松田氏: 正面切ってeスポーツに取り組むというよりは、自分たちのやり方でeスポーツ分野にアプローチするつもりです。例えば、アーケードゲームプレーのライブ配信をしていますが、それもそのひとつです。そうしたところから、「大会に参加する」や「観覧する」といった体験をゲームデザインとして取り込むことができるといいのでないかと思っています。
また、実は、アーケードゲームは海外ですごい人気があるんです。海外にアーケードゲーム施設が数少ないから、逆にYouTubeなどで配信すると再生回数の反応がいいのです。他社製ですが『パックマン』をプレーしているだけで200万ビューを稼いだりします。タイトーの『スペースインベーダー』の動画ビュー数もかなり多いですし、アーケードゲームをわざわざ見に来る外国人観光客もいらっしゃいますので、日本から映像配信しようと考えています。現在は、アーケードゲームを世界配信できるように、日本語以外でゲーム実況配信ができる人を探しているところです。