連載:キーパーソン激白! 進化する…

レベルファイブ 20周年の今年はアニメと新作を連続投入

「妖怪ウォッチ」もリニューアル

2017年は自社の課題が浮き彫りになった年

――2017年はレベルファイブにとって、どのような1年でしたか。

日野晃博社長(以下、日野氏): 2017年中にリリースしようとしたものが、軒並み今年にずれ込んでしまうなど、会社の課題が浮き彫りになった1年でしたね。IP(ゲームやキャラクターなどの知的財産)を扱う会社としては、ものすごく大きくなっているのですが、成長に社内の体制がついていけない面が出てきました。

 加えて、IPビジネスで手いっぱいになってしまい、ゲーム開発における管理が甘くなるという、レベルファイブの弱点とも言える部分も浮かび上がってきました。

 クロスメディアタイトルは、ゲームだけでなくアニメや玩具も同時展開するため、絶対に外してはいけない商戦の時期があるんです。ゲームだけなら、開発が2カ月遅れたとしても、自社だけの問題で済むのですが、他の業界と連携を取っている中での2カ月の遅れは、自社だけでなく全体の収益率に影響するし、機会損失も出てくる。

 それを頭で分かっていても体で分かっていないというか。自分たちの置かれた立場がいかに重要か、まだ理解しきれていなかったんだと思います。それを再認識したというか、失敗して勉強させていただいたのが2017年でした。

 例えば、今年3月に『二ノ国II レヴァナントキングダム』で、初めてPS4版とPC版を世界同時リリースしたのですが、良い作品に仕上がったものの、作業は大変でした。IPを使ったクロスメディアのプロジェクトを整理して実行するに当たり、人数が不足していたのです。会社としてキャパオーバーに陥ってしまい、発売日が今年にずれ込む結果となりました。

 僕自身は、一気に人を増やして会社を大きくすることはあまり好ましくないと考えているのですが、まともな仕事をするためには、今年はさすがに人を増やさないときついかなと考えています。

『二ノ国II レヴァナントキングダム』。世界的な人気を得たファンタジーRPGの続編。3月23日に同社として初めてPlayStation4版とPC版が同時リリースされた (c)2018 LEVEL-5 Inc.
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――成長に伴う会社の課題が見えてくるなか、どのような対策を練っていますか。

日野氏: 現在、会社の意識改革を促すような施策を、次々と打っているところです。新人教育にもかなり力を入れていますし、プロジェクト管理にしても、いろいろな新部門をつくって、スケジュール管理の精度が高くなるような組織に変えようとしています。

 レベルファイブって、テレビアニメや映画をつくるにしても、美術なども含めた設定などを、全部社内でやっているんですよ。すごく制作に食い込んで映像作品をつくっているんです。もう既に、純粋なゲーム会社ではなくなっていて、IPホルダーとして、全体を統括する要素がかなり強まっているんですね。

 そういう中で、僕個人としてもかなり無理をしている面があるのですが、面白い提案をいただいたら、自分の許容範囲以上でも引き受けてしまう。ちょっといかんなとは思いつつ、やっぱり自分でやりたいと思ってしまうので。僕をサポートしてくれるような人間を今、社内でつくり始めていますが、自分の分身のような、ビジネスとクリエーティブの両面で立ち回れる二刀流の人材を育てるのは、なかなか難しいんですよね。

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