この記事は雑誌『日経おとなのOFF』2013年2月号に掲載した記事に一部手を加えたものです。内容は基本的に雑誌掲載当時のものです。

干潟に昇る朝日と棚じぶ
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肥前浜宿と酒蔵通り
江戸時代、佐賀鍋島藩は福岡黒田藩と1年交代で長崎の海の警備を命じられていた。その際に、他藩を通らず長崎へ行ける多良往還は脇街道ながら重用され、『浜千軒』と呼ばれる町並みができた。明治以降も酒造業や水産加工業に支えられ、白壁土蔵の酒蔵や醬油(しょうゆ)蔵が残る。

 浜川と並行する旧長崎街道の両側に、白壁土蔵の商家が並ぶ。漆喰の壁や銅製の扉や雨どいといった精巧な造りの細部が、建物に表情を与えていた。

「この肥前浜宿には、明治末から大正にかけての最盛期には15の酒蔵があり、現在も4蔵が酒造りを続けている。人口当たりでは日本屈指の酒蔵密集度だったのではないかと思います」と、肥前浜宿水とまちなみの会の中村雄一郎さん。

 この界隈が酒どころとなったのは、米どころ佐賀平野の最南端に位置し、米作りに適した豊かな土壌と、多良岳山系の良質な天然水に恵まれていたからだ。

富久千代酒造の代表取締役 飯盛直喜さん。2002年から杜氏を務める。「誰にも負けない努力と情熱で『鍋島』らしい、自然体で優しさを感じられる酒を造っていきたい」
富久千代(ふくちよ)酒造
ショールームでは試飲・販売は行わない。
【Data】佐賀県鹿島市浜町1244‐1 TEL:0954・62・3727 営業時間:9~17時 定休日:日曜、祝日、12月31日~1月6日