この記事は雑誌『日経おとなのOFF』2014年2月号に掲載した記事に一部手を加えたものです。内容は基本的に雑誌掲載当時のものです。

中央の舞妓、両脇の芸妓によって2曲が披露された
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お座敷遊び
宴席を盛り上げる余興の一つとして、高知ではお座敷遊びが愛されてきた。芸妓の有無にかかわらず、年長者から手ほどきを受けて、同じ場に居合わせた者同士で楽しむことも多いという。高知のお座敷遊びは、初めての人とも飲んで親しくなるための知恵であり、嗜(たしな)みなのだ。

 よさこい節に歌われる「土佐の高知のはりまや橋」近くにその店はあった。

 肩上げ、袖上げをした振り袖姿に花かんざしが初々しい舞妓、島田の髷(まげ)もあでやかな芸妓が踊る。踊る「立ち方」に対して、三味線や太鼓を受け持つのは「地方(じかた)」だ。

 一度は体験してみたいと思っていた芸妓遊び。唄と踊りを堪能した後の座敷からは、楽しげな歌声が聞こえてくる。なかには女性客の声も交じる。「これが高知の宴席。しっぽりと飲むよりも、みんなで楽しく飲むお酒です」と料亭「濱長」の大女将・濱口賀世さん。芸妓遊びは「一見(いちげん)さんお断り」の世界と思っていたが、高知では、会社や親族の宴席でもしばしば楽しむという。

濱長
芸妓・舞妓を抱える高知の料亭。完全個室でのお座敷遊びのほかに、舞台を囲むように配した個室から舞を楽しみ、宴席で芸妓衆と遊ぶ1万6200円~の入門コースも。
【Data】高知市唐人町6-6 TEL:088・884・0080 営業時間:11時30分~14時、17~23時 定休日:無休
濱長 大女将の濱口賀世さん。官官接待の廃止で老舗料亭が相次いで店を閉めたが「土佐のお座敷文化の伝統を守るのは芸妓舞妓を抱えてきた濱長の務め」と大女将