この連載は、女心のわからないモリシロウ(某電気機器メーカーエンジニア)が、若い女の子たちから絶大な支持を受けるプリントシール機の企画に携わる稲垣涼子(フリューGIRLS'TREND 研究所所長)と、シンデレラテクノロジーを研究する久保友香(東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員)の元を訪ね、女の子たちの「盛る」という行動を糸口に、デジタル時代の女の子たちの価値尺度を学んでいく連載です。
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女の子を20年以上引きつけ続ける商品

モリ: 「盛るの科学」では、毎回のようにプリントシール機(プリ)の話題が出てきますが、女の子たちにとってプリは重要な存在なのですね。

久保: 私は幅広い層の女性を取材していますが、現在38歳くらいの女性から、今の女子高生まで、誰でも、少なくとも一度は、プリに夢中になった経験がある人がほとんどです。

モリ: そんなに定着しているのですね。

久保: 私自身もこの調査を始めるまでは、正直、それほどではないと思っていたので、驚きました。誰でも、その人が高校生くらいの当時にあったプリの機種名を挙げると、「懐かしい!」と知っているのです。

モリ: プリの歴史は20年くらいになるのでしたっけ?

久保: そうですね。似たようなものはその前にもあったのですが、今に続くプリの文化の原点は1995年に誕生した「プリント倶楽部」からといえます。そこから20年以上もの間、女の子たちを引きつけ続けているわけですが、そういう商品って本当に珍しいです。

モリ: 確かに。20年前と言ったらwindows 95が出たころ。そういえば私、その頃、MDプレイヤー関連の仕事に携わっていました。MDプレイヤーを使っている人、今はみかけないですものね。

久保: 女の子が夢中になっているものは、とくに変化が早いです。ここ20年を振り返っても、ポケベルとか、たまごっちとか、チェキとか、ポラロイドとか。

モリ: 女の子って移り気激しそう。

久保: しかしそんな中、プリは、女の子の遊びの中心にずっと存在し続けているのです。なぜプリが女の子たちを引きつけ続けているのかを、今回は探りますよ。

モリ: それは、知りたい。