この連載は、女心のわからないモリシロウ(某電気機器メーカーエンジニア)が、若い女の子たちから絶大な支持を受けるプリントシール機の企画に携わる稲垣涼子(フリューGIRLS'TREND 研究所所長)と、シンデレラテクノロジーを研究する久保友香(東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員)の元を訪ね、女の子たちの「盛る」という行動を糸口に、デジタル時代の女の子たちの価値尺度を学んでいく連載です。
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「インスタ映え」ってなに?

モリ: 最近の女の子たちは、ソーシャルメディアで投稿する写真を撮影するだけのために食べ物を買って、食べずに捨ててしまう子がいるんですって? 特にInstagram上で写真映えすることを「インスタ映え」っていうんだとか。テレビで見ました。食べ物を粗末に扱うのは、良くないですね。

久保: 買った食べ物を撮影だけして捨ててしまうというのは、ほんの一部の人がやっていることであって、ほとんどの女の子はそんなことはしていません。しかし、わずかであっても、そういう良くないことをする人がいると、世間が急に女の子の文化に注目をしますね。女の子の文化や技術を研究する私にとっては、注目されるのは少しだけうれしいことではありますが、巻き添えをくう良い子たちのことを考えると、複雑な思いです。

稲垣: いずれにせよ、今、多くの女の子が「インスタ映え」に力を注いでいるのは確かです。Instagramをやっていること自体がトレンドだし、Instagramの中でいろいろなトレンドが起きています。当研究所の最新の調査でも、Instagramを利用している女子高生・女子大生のうち、68.7%が「インスタ映え」を意識しているという結果が出ました(2017年10月女子高生・女子大生を対象とした「ソーシャルメディアに関する調査」)

久保: さまざまな工夫をしてInstagramで映えるような写真を撮る行動は、まさにこの連載でテーマとしてきた“盛る”行動の一つです。女の子は、メイクやファッションなどさまざまな表現で、自分をよりよく見せる“盛る”行動をしてきましたが、それが今は、Instagramの写真で行うことがトレンドなのですね。

モリ: そうか、「インスタ映え」も“盛る”の一つなんですね。

久保: 今回は「“盛る”の科学」の最終回ということで、これまでの14回のまとめをしたいと思います。「“盛る”の科学」では、各回で、「INAGAKI’s KEYWORDS」として、フリュー「GIRLS’TREND 研究所」所長の稲垣さんの視点から、女の子の“盛る”を理解するための重要なキーワードをいただいてきました。

モリ: 仕事に生かさせていただいています。まだ形にはできていませんが。

久保: 私がそれらのキーワードを振り返ってみたところ、大きく3つの視点に分かれました。1つ目は「女の子の普遍的な特徴」、2つ目は「女の子たちの特に最近の傾向」、3つ目は「女の子をターゲットとするビジネスを成功させるための極意」です。今回は、その3つの視点からこれまでのまとめをしていきたいと思います。

モリ: ありがたいです。

久保: それと共に、モリさんが今気になっている「インスタ映え」についても、解説していきましょう。