この連載は、女心のわからないモリシロウ(某電気機器メーカーエンジニア)が、若い女の子たちから絶大な支持を受けるプリントシール機の企画に携わる稲垣涼子(フリューGIRLS'TREND 研究所所長)と、シンデレラテクノロジーを研究する久保友香(東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員)の元を訪ね、女の子たちの「盛る」という行動を糸口に、デジタル時代の女の子たちの価値尺度を学んでいく連載です。
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はじまりは日本の女の子

モリ: “盛る”のは、日本の女の子だけですか?

久保: 一般の女の子たちが写真の上で“盛る”ことは、日本から始まったと言えます。

モリ: 日本が最初なのですか。

久保: 画像処理で顔を加工するプリントシール機が登場し、女の子たちがこぞって使うようになったのが1998年頃。そこから始まっています。当時はまだ、“盛る”という言葉はありませんでしたが。

モリ: 他の国ではまだ、“盛る”ことはなかったのですね。

久保: もちろん雑誌や広告ポスターなどに登場する有名人の顔をレタッチすることはありましたが、一般の女の子たちがこぞってそれをするような国は、他になかったはずです。

モリ: なるほど。

久保: 日本ではプリの文化が根付いていたので、2002年にインカメラのついた携帯電話が誕生したときも、すぐにそこに“盛る”機能が入りました。この頃もまだ、他の国で“盛る”ことは行われていませんでした。カメラ付携帯電話で自撮りをすること自体、日本の女の子たちしかやっていませんでした。

モリ: 「セルフィー」という言葉で自撮りが世界に広がるのは、その後のことですかね。

久保: スマートフォンやSNSが普及してからですね。世界にセルフィーが広がり、“盛る”ことも広がりつつあります。

稲垣: 中でもアジアではすでに根付き始めています。欧米など、他の国ではまさにこれからというところだと思います。

久保: 今回は、“盛る”ことに関する海外の状況について、お話しいたします。