この連載は、女心のわからないモリシロウ(某電気機器メーカーエンジニア)が、若い女の子たちから絶大な支持を受けるプリントシール機の企画に携わる稲垣涼子(フリューGIRLS'TREND 研究所所長)と、シンデレラテクノロジーを研究する久保友香(東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員)の元を訪ね、女の子たちの「盛る」という行動を糸口に、デジタル時代の女の子たちの価値尺度を学んでいく連載です。
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女の子の憧れはテレビ回帰?

モリ: 今、若い女の子たちが“盛る”ことのお手本にしているのは、どんな人なのですか?

久保: フリューでは、プリのユーザーの女の子たちを対象に、好きなモデルを聞く調査を、長く継続していますよね?

稲垣: 最近の傾向としてまず言えるのは、人気が集中する「カリスマ的な存在」がいなくなっているということです。

久保: “盛る”ことのお手本といえば、90年代末は安室奈美恵さん、2000年代前半は浜崎あゆみさん、後半は益若つばささん、その後はくみっきー(舟山久美子さん)のような、圧倒的な存在がいたように思いますが、今はいないのですか?

稲垣: 現在は、以前のように人気が集中せず、多様化しています。最新の調査で、「女子高生が好きな女性モデル」のランキングは下記のようになっています。例えば、同じ雑誌『Popteen』でも、カジュアルでかわいい系が好きな子はにこるん(藤田ニコルさん)、ギャル系が好きな子はみちょぱ(池田美優さん)が好きというように。

■ 女子高生が好きな女性モデル
1位 ローラ
2位 藤田ニコル(にこるん)
3位 広瀬すず
4位 吉木千沙都(ちぃぽぽ)
5位 池田美優(みちょぱ)
6位 三吉彩花
7位 新川優愛
8位 本田翼
9位 オクヒラテツコ(ぺこ)
10位 近藤千尋
11位 越智ゆらの(ゆらゆら)
12位 西内まりや
13位 飯豊まりえ
14位 大友花恋
15位 玉城ティナ
※2016年12月フリュー調べ(サンプル数:975)


モリ: にこるん、みちょぱ、テレビで見たことがある気がします。

稲垣: はい。まさに、最近のもう一つの傾向は、女の子たちの好きなモデルが、「テレビに出ている」モデルだということです。

モリ: そうか、モデルの活動の拠点は、本来は雑誌?

稲垣: そうですね。テレビには出ておらず、雑誌にしか出ないモデルで好きなモデルとして名前が挙がるといえば、最近だとちぃぽぽ(吉木千沙都さん)くらい。

モリ: テレビに出ているモデルって、特別なことなのですか?

稲垣: やはりモデルとして人気が出てからでないと、テレビに出るチャンスはなかなか巡ってこないのかなと思います。そういう意味ではネクストステージという印象で、特別なことだと思います。雑誌に加えてテレビでも見かけるようになると、相乗効果でより人気が高まっていくと考えています。

モリ: なるほど。インターネットの普及によって、若者のテレビ離れが進んでいるという話をよく聞きますが、意外とテレビの価値は高まっているのでしょうか。

久保: 今回は、女の子たちの好きなモデルがなぜ「テレビに出ている」モデルになったのか?女の子たちの好きなモデルがなぜ「多様化」したのか?について探っていきます。