「伊賀の土」こそが白米に命を与える!?

 かまどさんの魅力の一つに、内ぶたを採用することで噴きこぼれさせずに炊飯できることがあるのですが、それよりも大きな特徴が「土」なんだそうです。長谷園のある伊賀は約400万年前は琵琶湖の湖底にあったため、そこで得られた土はプランクトンを豊富に含んでおり、焼き上げるとそれらが気孔になるのだとか。その気孔が土鍋内の水分を絶妙に調整して、お米の乾燥を防ぐのだそうです。伊賀の土地自体が琵琶湖の底にあったからこその自然の力。400万年前の状況が今につながっているなんて、スケールが壮大ですね……。

「こちらが炊飯用土鍋の『かまどさん』。今では約半年待ちの人気だそうです」
「こちらが炊飯用土鍋の『かまどさん』。今では約半年待ちの人気だそうです」
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こちらはかまどさんの試作品の数々。かまどさん電気と同様、約4年の歳月をかけて開発したそうです
こちらはかまどさんの試作品の数々。かまどさん電気と同様、約4年の歳月をかけて開発したそうです
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 土鍋とヒーターを組み合わせれば、すぐにできてしまいそう、なんてつい考えてしまいますが、「かまどさん電気」作りは難航を極めたそうです。単純に「土鍋炊飯器」を作るのではなく、2000年に発売して以来人気の「かまどさん」をガスのじか火で炊くのと同レベルの味に仕上げなければならないためです。

 日本のコンセントの電圧は100Vしかないので、ガス火のパワーを再現するためには熱効率を高めなければなりません。密閉性を高めると、ヒーターのきょう体が熱に耐えられずに溶けてしまったり、土鍋の蓄熱性が高すぎておこげどころか「炭」になってしまったり……。炊飯器として成立させるためにお米3トン、試作機500個、そして4年の歳月をかけたそうです。

かまどさん電気の試作品の一部
かまどさん電気の試作品の一部
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 本物の土鍋を使うため製品の精度にばらつきが出ることもあるので、ヒーターとの組み合わせも難問でした。土の配合と調整を長谷園が一から見直し、工業製品にも耐えられるようにしたそうです。

「かまどさん電気の専用土鍋を持って説明しているのが、長谷製陶第8代目当主で代表取締役社長の長谷康弘氏。均一に熱を加えるため、鍋の周囲全体に取っ手が付いているとのことです」
「かまどさん電気の専用土鍋を持って説明しているのが、長谷園第8代目当主で長谷製陶代表取締役社長の長谷康弘氏。均一に熱を加えるため、鍋の周囲全体に取っ手が付いているとのことです」
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