毎回異なる音楽チャートから最新のヒット曲を紹介する「臼井孝の音楽チャートから見るヒット曲最前線!」。この連載では、月の前半は総合的なビルボード・ジャパン・チャート、そして月の後半はパッケージや配信のセールス、動画や歌詞の検索数、カラオケや有線リクエストなど個別のヒットチャートから1種類を選択し、ヒット曲を解説します。今回は、2017年上半期アナログレコード売り上げトップ20です!

7年間で2億円から15億円まで増えたレコード売り上げ

 CDがどんどん売れなくなり街角からCDショップが姿を消している、CDが売れていると思いきや音楽以外の要素で1人が大量に買っていた……など、音楽パッケージ関連の話題はネガティブなものも多いのですが、どうやらアナログレコードは違う模様。1カ月ほど前にもソニーが29年ぶりにアナログレコードの自社生産を再開することがニュースになっていましたが、このところ、アナログレコード熱が高まってきているというのです。しかも、中年以上の大人の間で再燃するだけでなく、若者にも人気だと。

 毎年4月に行われる「RECORD STORE DAY JAPAN」では、レコード店に集まる音楽ファンが年々増えており、2017年は海外からの参戦組も多数いましたし、今月はスピッツのアルバム16作品やTHE BLUE HEARTSの8作品がアナログレコードで発売されて大きな話題になりました。

 実際、アナログレコードの市場規模(日本レコード協会調べ、以下市場規模に関しては同データ)は、2007年に約6億円、2009年ごろには約2億円まで落ち込んだのを底に、2016年は15億円近くにまで回復しています。パッケージ全体の市場規模は2007年の約4000億円から2016年の2400億円、配信市場も2007年の750億円から2016年の530億円とそれぞれ縮小している中で、アナログレコードは小規模ながら良い動きを見せているのです。

 そこで今回は、どんなアナログレコードが人気なのか、チャートから読み解くことにしました。早速チェックしていきましょう。

こだわりの音楽とアナログレコードは相性がいい

 1位はRADWIMPS(ラッドウィンプス)が手がけた昨年の大ヒット映画のサウンドトラックアルバム『君の名は。』です。CDは50万枚近く売れていますが、アナログは5000枚強です。RADWIMPSについては最新オリジナルアルバム『人間開花』も8位に入っています。

 2位と3位には1990年代に渋谷系として名を馳せたCORNELIUS(コーネリアス)のシングルレコードがランクイン。こだわりの音楽とアナログレコードは相性が良いようで、同じく渋谷系だったPIZZICATO FIVE(ピチカート・ファイヴ)の小西康陽が監修したアナログ盤の復刻作もトップ20に3作入っています。

 他にも大滝詠一が4位、ザ・ビートルズが11位と13位など、中高年に熱いファンの多いレジェンドたちの上位入りが目立っています。

今週注目のヒットチャート『2017年上半期アナログレコード売り上げトップ20』(2017年1月2日~2017年7月2日)
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※集計対象店舗での売上から実売を推計。網掛けは20世紀作品の復刻や再編成。 ※発売元略号:C=コロムビア、S=ソニー、T=トイズ、U=ユニバーサル、W=ワーナー、ZR=ZENRYO RECORDS
■提供元:サウンドスキャンジャパン