天然の食材でありながら健康にいい成分が豊富に含まれる「スーパーフード(※)」が世界的に注目されている。食材の宝庫である沖縄県では、2015年10月に健康食品メーカーなどが集まって「沖縄スーパーフード協会」が発足。2016年1月18日には、沖縄が誇るスーパーフードをどのように全国にアピールしていくかを考えるシンポジウムが琉球大学で開催された。基調講演からパネルディスカッションや試食会まで、シンポジウムの模様をダイジェストでお伝えする。

琉球大学で開催された「沖縄スーパーフードシンポジウム」
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「全国に発信できる力を持つ沖縄の食材を“認定”していく」~沖縄スーパーフード協会 理事長 西大八重子氏

 「沖縄には“ヌチグスイ”(命の薬)という言葉があります。食べ物とは命の薬であり、食べ物から元気をいただくという考え方が古くからあるわけです」

 沖縄スーパーフード協会の理事長を務める西大(にしおお)八重子氏は開会の挨拶でそう話し始めた。西大氏は、女性に心構えと生活技術をトレーニングする西大学院の学院長であり、沖縄の食文化研究家として知られる人物だ。

 かつて日本一の「長寿県」として名を馳せた沖縄の栄光は、すでに過去のものとなった。沖縄県の健康食品の売り上げはピーク時の2004年には200億円に達したが、現在はその半分以下に落ち込んでいる。

 そんな中、スーパーフードが世界的に注目されてきた。「沖縄独自の食材には、スーパーフードと呼べそうなものがいくつもあります。その機能性を科学的に裏付けたうえで、沖縄から発信していってはどうか」(西大氏)。そうした発想から県内企業の支援活動を行う沖縄TLOと、さとうきび、シークヮーサー、もずくの各食品加工メーカーが連携し、沖縄スーパーフード協会が設立されたという。

 もちろん、沖縄の食材なら何でもスーパーフードとするわけにはいかない。そこで協会が導入したのが厳格な認定制度(下記カコミ参照)だ。2016年1月現在、沖縄ウコン堂の「発酵サトウキビファイバー」や沖縄県漁業協同組合連合会の「沖縄乾燥もずく」など、9商品が沖縄スーパーフードに認定されている。

 「きちんと科学的なデータに裏付けられた栄養素と安全性を持つ食材を沖縄スーパーフードに認定していきます。シークヮーサーやもずくなど、沖縄が誇る素晴らしい食品を県外の方、さらに世界の方に広めるに当たって、沖縄スーパーフード協会が役に立てればたいへん嬉しく思います」(西大氏)

 科学的に確認された機能性、食品としてのおいしさを併せ持つ沖縄のスーパーフードをどのように県外にアピールしていけばいいか――それが今後の大きな課題だと西大氏は訴えた。

沖縄スーパーフード協会 理事長 西大八重子氏
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沖縄スーパーフード協会の認定制度とは?
 沖縄スーパーフード協会では、以下5つの条件を満たす食品を「沖縄スーパーフード」として商品認定している。
1.沖縄県産の農水産物などを原料とするか、または県外原料の場合は、沖縄独自の伝統的な製法により本質的な変化がなされていること
2.沖縄県内で付加価値を持たせるための加工を施していること
3.協会が定めた安全基準を満たしていること
4.健康維持に役立つことが期待できる成分を含むことが客観的なエビデンス(科学的根拠)で示されていること
5.食事としての摂取が提案できること


※スーパーフードとは、アサイー、ココナッツ、カカオ、スピルリナなど、栄養価が高く、健康に役立つ機能性成分を含んだ天然の食材を総称する呼び方。米国をはじめ世界的にブームを呼んでおり、日本でも2014年からメディアで取り上げられる機会が急増している。