料理道具のプロが選んだベストバイは?

 それでは、私が買いたいと思ったフライパンのランキングを発表します。無印良品の鉄フライパンはぜひ使ってみたいですね。また、卵焼きがふっくらと仕上がったイケアのフライパンも捨てがたい。フライパンは材質が違うと熱の伝わり方も変わってくるので、得意な料理も異なってきます。自分の得意料理に合わせてフライパンを選ぶのもひとつの方法かもしれません。

【1位:無印良品】業務用のいいとこどり、長く愛用できる

 無印良品の「鉄フライパン」は、業務用フライパンの定番、鉄黒皮厚板フライパンのようです。シンプルで使いやすい、長年愛されている形。さらに驚いたのが、柄までチッカ加工されていること。業務用のフライパンに例えるなら、人気の高いリバーライトと同じ仕様で、鉄なのにさびにくく頑丈なのが特徴。でも、業務用で柄までチッカ加工されているものはないのでとてもユニークですね。柄が業務用に比べて少し短めに作られているのは、家庭での収納や使いやすさを考えてのことでしょう。板厚も1.6mmあるので十分。プロとしても使いやすいと思います。しかし、無印良品でも“育てるフライパン”と言っているように、使用前の油慣らしや油返し、毎回手入れが必要なので、なるべく手間を省きたいと思っている人には不向きです。でも、手入れさえしっかり行えば長年愛用できると思います。

無印良品「鉄フライパン」(26cm、税込み5900円)。鉄チッカ加工、重量約1.1kg、板の厚みは1.6mm
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【2位:イケア】プロも顔負け、本格派ステンレスフライパン

 とても厚みがあるステンレス製で、まさにプロ仕様そのもの。アルミニウムの中間層をステンレススチールで挟んだ3層構造なのに5000円を切る価格というのは驚きです。さらに25年保証付きなのだとか。弱点は、プロでもコツをつかむのが難しいステンレス製なので、火加減に気をつけないと焦げついたり、こびりついてしまうことがあります。コツさえつかめば一生モノですが、毎日忙しい中で手早く使いたいなら、これはお薦めしません。

イケア「SENSUELL(センスエル)シリーズ フライパン」(24cm、税込み4999円)。アルミニウムとステンレススチールの3層構造
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【3位:イトーヨーカドー】軽量で深さ十分、底が広いトレンドの形

 イトーヨーカドーオリジナルの「セブンプレミアム 少ない油でムラなく焼けるフライパン」(26cm)は、重量が約605gで軽量タイプ。深さがあって、側面の立ち上がりが緩やかなので、返しがしやすく炒め物に向いています。しかし、板が薄いため、耐久年数は1年くらいと思ったほうがいいでしょう。内側はフッ素樹脂塗膜加工。ストーンマーブルとダイヤモンドコートがされているので、こびりつきにくくなっているようですが、焼き物は熱が急激に入りすぎてしまい、表面がこげたり、硬くなってしまう可能性が大。中火以下での調理がおすすめです。

イトーヨーカドーオリジナルの「セブンプレミアム 少ない油でムラなく焼けるフライパン」(26cm、1834円)。アルミニウム合金、フッ素樹脂塗膜加工、重量約605g。2013年発売のロングセラー。底板の厚みは2.3mmと少し厚めに作られている
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【4位:ニトリ】超軽量で使いやすいが、耐久年数は1年?

 ニトリの「超軽量で調理も片付けも楽々フライパン」(26cm)は、とにかく軽い。軽いフライパンは確かに使いやすい。しかし、料理をおいしくできるかどうかは別問題。軽いということは、板の厚みが薄く、熱ムラができやすくなり、焼き物は火の通り具合が偏ってしまうことがあります。また、軽いと耐久力が低くなります。そのぶん、価格も1843円とリーズナブルなのでしょう。これは、1年間使い切りと割り切って使うといいのかもしれません。

ニトリ「ガス火 超軽量で調理も片付けも楽々フライパン」(26cm、1843円)。アルミニウム合金、フッ素樹脂塗膜加工、ダイヤモンドコーティング、重量約490g
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 プロとして選ぶなら鉄にこだわっている無印良品。何枚かフライパンを持っていて自分専用の長く使えるフライパンを探しているなら、イケアはお薦めです。ステンレスならではの美しさも楽しめますし。でも、どちらも手入れは必須です。手軽さ、軽さを優先するならニトリとイトーヨーカドーも選択肢のひとつです。家庭用のPBフライパンも料理別に使い分けてみると料理がおいしくでき上がるのではないでしょうか。(談)

(文/広瀬敬代 写真/菊池くらげ)