合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの料理道具を徹底比較する連載第21回は「卵焼き器」。店頭にはさまざまな材質の卵焼き器が並んでいるけれど、どうやって選べばいいのでしょうか? 今回は7種類の材質の卵焼き器を徹底的に検証しました。好みの焼き具合と食感にこだわると、選ぶべき卵焼き器が見えてくるかもしれません。

[画像のクリックで拡大表示]

 こんにちは! 飯田結太です。爽やかな季節になりました。お弁当を持ってハイキングなどに出かけたいですね。外で食べるお弁当っておいしいですよね。そうしたときに欠かせないのが卵焼きです。

 卵焼きは“The 家庭料理”と呼ばれるほど一般的なものですが、プロにとって一番難しい料理ともいわれているんです。なぜかというと、火加減や熱の伝わり方の差でまるで味が違うものになってしまうからです。そこで大切なのが、道具選びです。

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏。今回は卵焼き器を徹底比較した
[画像のクリックで拡大表示]

 卵焼き専用のフライパン「卵焼き器」を知っていますか? 卵焼き器の形には、正方形の関東型、縦長長方形の関西型、そして、横長長方形の名古屋型の3つの形があります。

 関東で卵焼きといえば、少し甘みのある厚焼き卵。江戸前寿司で見かけるのがそれです。じっくりと焼き色をつけて仕上げるのが王道といわれ、たっぷりと卵を使って1回ひっくり返して2分の1の幅に折って仕上げるために正方形のほうがやりやすいからとか、寿司に使う板海苔と同じサイズに仕上げるために正方形になったなど、いくつかの説があります。

 一方、関西型はなぜ長方形かというと、関西はだしの文化。卵焼きもだしがたっぷり入っただし巻き卵が一般的です。卵液も関東に比べてゆるくサラサラしているため、何度もひっくり返して仕上げていきます。それには長方形が作りやすいからなのだとか。現在、家庭で最も多く使われているのがこの関西型卵焼き器です。

 では名古屋型は? 関東と関西では、パタンパタンと折り畳んで作り上げますが、名古屋ではヘラを使って巻いていくのだそうです。クルクルと巻くには横長のほうがつくりやすいことが理由だとか。でも、残念ながら名古屋型は最近、ほとんど見かけなくなりました。

縦長長方形の関西型卵焼き器(左)と、フタを使ってひっくり返しながらじっくり焼き上げる正方形の関東型卵焼き器(右)
[画像のクリックで拡大表示]