河川敷コースとしては良好なメンテナンス。高層マンション群を借景に

 今回ラウンドしてみて、改めて感じたことを以下に列記してみたい。最初は「コースメンテナンス」についてだ。冬の河川敷コースは北風に吹かれて寒く、夏芝の「コーライ」グリーンは特にメンテナンスが難しい。しかも、セルフプレーでのラウンドが中心。荒れやすい条件が揃っているのだが、その割には良好なグリーンを維持していると思われた。

 スピード表示は出ていなかったものの、概ね8フィート弱か。スタート前、「皆さん、グリーンがもの凄く速いと驚かれます」とスタートハウスの男性スタッフさんに脅かされたが、これはグリーンの速さというより傾斜の強さに影響されてのことだろうと推察された。

グリーンのコンディションは期待以上だった(4番)
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冬の「コーライ」グリーンは夏ほど芝目が強くない(14番)
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 フェアウエーはグリーンに比べるとダフってできた傷跡などが目立ち、残念なホールもあった。ただ他の河川敷コースに比べると良好で、ゴルフ場側でも「最近は(プレーヤーの方に)目土に協力して頂き、助かっています」と話す。

フェアウエーの状態は河川敷コースとしては良好だった(6番)
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ゴルフ場では「目土」への協力を訴えている
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 前回来場(2013年8月)した時もメンテナンスについては同じような印象を抱いた。芝の状態が比較的安定しているのは、ここ9年ほど大規模な水害を被っていないことも影響しているのかもしれない。

水溜りは前日の雨の残りで、午後には消えてきれいになった(2番)
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夏場(2013年8月)でもメンテナンスについては同水準と感じた(2番)
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 今回最も気になったのはクリークや池周辺の状態だった。ゴルフには「あるがまま」という理念があるが、ウォーターハザードはもう少し美しく見せたい。「池」の中には「沼」に近いものもあった。バンカー内に伸びた芝の根もしっかりカットしておきたい。これだけでもコースの見栄えがだいぶ違ってくる。

美しく整備された池なら印象もかなり違ってきそうだ(5番)
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枯れ草の中にボールを発見。落ちないよう十分に注意したい(14番)
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 池越えの17番ショートホール。前回は水草が伸び放題で、ティインググラウンドからグリーンさえ見えにくかったが、今回はきれいに刈り取られ、スッキリした景観に様変わりしていた。やはり池やグリーンは縁がはっきり見える方が安心してプレーできる。

前回来場時は夏草が生い茂り、池がほとんど見えなかった(16番)
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17番ショートホール。雑草が刈り取られグリーンの様子が良く分かる
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 第2は「コースからの景観」だ。雨上がりの快晴に恵まれたこともあり、今回は近隣のマンション群が鮮やかに目に飛び込んできた。荒川の反対側にある川口市(埼玉県)の市街地には55階建てのタワーマンションをはじめ、30階前後の高層マンションが林立する。「大自然の中に佇むゴルフ場」とは真逆の人工的景観だが、海外では時々見掛ける光景。嫌いではない。

OUTコースでは超高層マンションや鉄橋を眺めながらプレーする(5番)
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「私の自宅はあそこです」とマンションを指さす人もいた(11番)
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 コースは東北本線や京浜東北線の電車が通過するJRの鉄橋と、埼京線、東北・上越新幹線が走る戸田橋の間に展開する。まず1番ホールから新荒川大橋方向に向かってプレーを始め、6番ホールのティインググラウンドで最も鉄橋に接近する。このため5番、6番、7番ホールでは「ゴー」「ゴー」という電車の通過音が耳に響く。

 反対側の戸田橋に最も近いのはINコースの13番ホールだ。こちらはラウンド中に新幹線の雄姿を見ることができ、鉄道マニアでなくても結構楽しい。あの「戸田橋練習場」もこの13番ホールに隣接している。

5番、6番ホールは鉄橋の直ぐ近くまで進む。電車が良く見えた
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13番ミドルホール。左側に練習場と戸田橋。新幹線を見掛けた
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 OUTコースでは6番ホールから9番ホールまで右側に、INコースでは14番ホールで左側に荒川の雄大な流れに接することができる。ゴルフ場の下流にある「岩淵水門」から先はもう隅田川だ。コース内には柳の大木と貝塚伊吹の老木が目立つ。河川敷コースの割には樹木の種類が多く、他のゴルフ場とは一味違った景観の変化も楽しめる。

7番ホール側からは荒川が良く見える、川幅が広い
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コース内にはこうした太い柳の木が多数存在する(12番)
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60年の長い歴史を感じさせる老木(貝塚伊吹)も多い(12番)
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15番ホールのティインググラウンド奥では秋の味覚を発見(15番)
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 今回は冬景色。さすがに裸状態の木々が目立ち、前回の夏場とは違ったが、山茶花など季節を代表する花木は散見され、「殺風景な河川敷コース」ではなかった。多様な樹木は「赤羽GC」の魅力の一つである。

最も記憶に残った5番ミドルホール。左にドッグレッグする
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同じ5番ホール。夏は木々が生い茂り、冬とは雰囲気がだいぶ違う
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落葉しているとはいえ、右に曲げると立ち木が邪魔になる(10番)
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山茶花がきれいだった6番ホール。この先9番まで右側に荒川が続く
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 3番目は「コース内の表示物」についてだ。OUTコースで言えば1番から5番ホールまではティショットの狙い場所に「ガイドポール」が立つ。白と赤で塗られた背の高いポールで、遠くからでも良く目立つ。

長くて目立つ「ガイドポール」(4番)
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絶好のポジションからでも第2打は池越えのショットとなる(5番)
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 6番ホール以降はそれが「黄色い吹き流し」に変わる。ゴルフ場の気まぐれで違ったものを設置しているのかと思ったら「土手が近く、打球事故の起きやすいホールには目立つガイドポールを設置しています」とのこと。INコースも同様。狭い河川敷コースなので、「安全第一」で考え抜いた工夫なのだ。欲を言えば汚れたガイドポストはそろそろ塗り直しておきたい。また、グリーン上のカップの位置はピンに取り付けた小旗で判断する。

「ガイドポール」が6番ホール以降は「黄色い吹き流し」に替わった
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当日のカップの位置はピンに付けられた小旗の高さで判断する(4番)
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 OBゾーン示す「白杭」の他に、白色と黄色で塗り分けた「白黄杭」が所々に登場する。赤羽ゴルフ場の独自の杭で、「杭の外はクラブ競技を行う時はOB扱い、普段は1ペナゾーンを示している」そうだ。通常のヤーデージ杭は黒地に白で数字を書いた四角柱。数字は2面に書かれ読みやすい。

荒川が流れる右側には「白杭」が並ぶ(8番)
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しばしば見かけた「白黄杭」。赤羽GC独特のものだ(12番)
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 16番ホールのフェアウエー上に「150」の数字を見つけた。グリーンまで残り150ヤードの地点に置かれたヤーデージ杭のはるか手前だ。何を意味しているのか不明だった。後日、それが「手前のクリークまでの残り距離」であることを知った。

ヤーデージ杭は2面に数字が書かれている。カラスには要注意だ(8番)
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最初、この「150」の数字の意味が分からなかった
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 最後がティインググラウンドについてだ。60年の長い歴史を反映して多くのティインググラウンド周辺は植栽等でひと工夫され、思い出に残るものが少なくない。

植栽に凝ったティインググランド。雰囲気がいい(8番)
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赤羽のイメージにはちょっと合わないが、それでも好印象(14番)
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 だが、河川敷コースなのでやむを得ない面があるとはいえ、大半が人工芝で造られているのは残念。しかも小さい。例えば2番ミドルホール。あの右側の“漁網”が目障りなので左サイドに構えたくなる。だがティインググラウンドが小さく、左に動くと、足が人工芝の外に出てしまう。台形型の傾斜地に立つ格好になり打ちにくい。結局、中央に戻って窮屈なティショットを放つ。「安全確保」のために払う犠牲は大きい。

人工芝のティインググラウンドが少なくない(6番)
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2番ホールのティインググラウンドは小さな台形型
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 なお、コース内に「売店」はなく、飲料などは事前に「スタートハウス」で購入しておくのが決まり事。簡易型だがトイレは4カ所で利用でき、避雷小屋は11カ所と多い。夏は風通しが良くなるように骨組みだけ。冬場は寒風を防ぐためのカバーが北側を中心に張られている。

コース内にはこんな簡易型トイレも造られていた(4番)
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暑い時期はこの方が風が通って涼しい(14番)
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避雷小屋の数は多い。冬は北風対策が施されている(14番)
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前回来場時の避雷小屋は夏モデル。奥のトイレは簡易型に近い(16番)
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