乾燥しやすい冬には、加湿器が大いに活躍する。最近は空気清浄機に加湿機能を搭載する「加湿空気清浄機」が増えているが、部屋を加湿するためには単機能の加湿器を使うことをお勧めしたい。

 なぜなら、加湿器はミストや水蒸気を放出して部屋に湿度を与える機器なので、エアコンの風が通り、空気を循環させやすい場所に置く方が効率的。それに対して空気清浄機は部屋の空気を吸い込んでフィルターでこし取る機器で、人がよく通り、ホコリが舞いやすい場所の近くに置いた方がいい。

 さらに、加湿器が活躍するのは冬場が中心になるが、空気清浄機は年中利用するもの。機器の性質が異なる上、家の間取りによってはベストにはなり得ないから、単機能のほうが使いやすい。また、加湿空気清浄機はタンク容量が比較的少ないということもお勧めしない理由の一つだ。

 では、加湿器を選ぶ上で重要なポイントは何か、解説していこう。

加湿器の最新トレンドを知っておこう

 加湿空気清浄機にお株を奪われたように思われた加湿器だが、再び注目度が高まっている。それはここ2~3年でさまざまなメーカーから注目製品が登場したためだ。

 加湿器を日々利用する上で面倒なのが「給水」の手間。本体からタンクを取り出して、タンクのふたを開けて水道から給水し、ふたを閉めてひっくり返して本体に収める。タンクをひっくり返すときや運ぶときに水がこぼれることもあり、うっとうしいと思っている人も多いことだろう。

 この点に着目したのが、2013年11月に発売されたバルミューダの「Rain」と、2014年11月に発売されたカドーの「HM-C600S」だ。壺のようなユニークな形をしたRainは、上部からヤカンなどを使って水を注ぎ込む給水スタイルを採用している。カドーのHM-C600S、後継機種のHM-C610Sも同様で、細長い透明なタンクの上部にあるふたをスライドさせ、上から給水するスタイルだ。

バルミューダは2014年10月にRainの後継機種「Rain ERN-1000SD」(実勢価格4万2950円)を発売
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カドーは2015年10月にHM-C600Sの後継機種「HM-C610S」(実勢価格4万4220円)を発売
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 2014年11月には、ダイソンから同社初の加湿機能付き扇風機「Dyson Hygienic Mist」が発売された。こちらは羽根のない扇風機「Air Multiplier」の技術をベースに、本体下部のタンクで生成されたミストを大風量で部屋中に広げるというもの。「ミストや蒸気を上に放出する」という従来のスタイルとは違う、新たな加湿スタイルを生み出した。

 シャープからは、デザイン性を追求した「S-style」ブランドの加湿器「S-style HV-EX30」が登場した。以前は本格的な加湿器(加湿空気清浄機も含む)というと、デザイン性は二の次のような製品が多かったが、家電業界全体でデザイン性を追求した製品の人気が上昇している中で、大きく変わろうとしている。

ダイソンが2015年11月に発売した最新モデル「Dyson Hygienic Mist MF01」(実勢価格5万1960円)
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シャープが2015年10月に発売した「S-style HV-EX30」(実勢価格2万1140円)
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 さらに注目したいのが「保湿機」という新たなキーワードだ。これはオムロン ヘルスケアが発売した「パーソナル保湿機」で登場したもので、スチーム式加湿器によるスチームをファンの風で飛ばすことで、就寝中の人の口元あたりを中心に「保湿する」というもの。加湿器は基本的に部屋全体を加湿するものだが、こちらは人の口元あたりを重点的に狙って加湿し、部屋全体の加湿を目的としていないところが新しい。ちょっと変わり種だが、今後こういったコンセプトの製品が増える可能性は高い。

オムロン ヘルスケアが2015年10月に発売した「パーソナル保湿機 HSH-101」(実勢価格2万6150円)
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 そのほか、コンパクトでかわいらしいデザインの超音波式加湿器も相変わらず家電量販店や雑貨店などで人気だ。