写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、キヤノンが10月末に発売した高画質コンパクトデジカメ「PowerShot G9 X」を取り上げる。1型CMOSセンサーを搭載しながら1/1.7型センサー搭載モデル並みの小ささに抑えたスリムモデルで、現行のPowerShot Gシリーズではもっとも小型軽量となる。レンズ周囲のリングとタッチパネル液晶を合わせた操作性も、アナログとデジタルの融合といった感じで扱いやすい。価格もGシリーズではもっとも手ごろで、5万円を大きく切る価格で手に入る。画質、操作性、価格を両立した注目モデルの実力を、三井カメラマンに検証してもらった。

 1型や1.5型の大型CMOSセンサーを搭載した高性能コンパクトデジカメ「PowerShot G」シリーズを精力的に投入しているキヤノン。ラインアップのなかでひときわスタイリッシュなボディーをまとい、高画質と携帯のしやすさを両立して注目を集めているのが、今回紹介する「PowerShot G9 X」だ。さっそく街中に持ち出してブラブラと撮影散策をしてみた。

キヤノンが10月末に発売した高級コンパクト「PowerShot G9 X」。ボディーカラーはブラックに加えシルバーも用意する。実売価格は4万6000円前後にまで下がり、値ごろ感が増した
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 「どこかキヤノンらしくないな」というのが、PowerShot G9 Xを手に取った瞬間の印象だ。今回借用したモデルのボディーカラーがブラックではなくシルバーだったこともあるが、やたらキラキラしていて質感が高く見えたのである。自分も、これまで数台のPowerShotシリーズを購入してきたが、PowerShot G9 Xは手触りやボディーのエッジの立ち方がこれまでとは明らかに異なり、いつものキヤノンのたたずまいとは方向性を変えているという印象を受けた。

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スクエアでフラットなデザインはクセがなく、多くの人に支持されそうだ。液晶パネルは3型のタッチパネル(104万ドット)を採用する。本体の小型化を優先したため、背面には一般的な4方向ボタンが存在しない。設定変更や画像送りなどは、画面タッチで操作する仕組み
本体の厚さは30.8mmだが、レンズの張り出しを除けば本体はとてもスリムに仕上げられている。レンズ周囲のコントロールリングには、露出補正やステップズームなどさまざまな機能が割り当てられる
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 金属を切削加工したことで生まれるシャープなエッジや、指がかりのよいダイヤルのローレット処理などの質感はとにかく高く、このカメラを買った人の満足げな顔が浮かぶようだ。コストダウンの進むデジタル機器において、これはなかなかのこだわりだ。ボディーは薄型にまとめられ、スリムなビジネスバッグにもラクラク収納していつでも持ち歩ける。ジャケットはもちろん、シャツのポケットにもすんなりと収まってしまうほどだ。スマホのようにいつも携帯でき、「!」と感じたシーンでさりげなくシャッターを切る――そんなことが容易にできる高級コンパクトだ。