待ちに待った「iPhone X」が登場した。iPhone 8シリーズを見送ってこれを狙っていた人がかなり多かったようで、いまだ入手するまでに2~3週前後の時間が必要な状況となっている。大きく美しいOLED(有機EL)ディスプレーと新しくなったカメラは予想以上の仕上がりで、特にデュアルカメラならではの望遠カメラの画質が向上した点は評価したい。ホールドしやすいスリムボディーと相まって、新しいモバイルフォトグラフィーの世界をけん引するマイルストーン的な製品だと感じた。

10月末に登場したアップルの「iPhone X」。SIMフリー版の価格は、64GBモデルが11万2800円、256GBモデルが12万9800円。出荷までの日数は、おおむね2~3週間となっている
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大きく鮮やかな有機ELパネルは屋外での撮影でも不満なし

 滑らかなボディーを手にしてまず目を引くのが、美しく大きなディスプレーだ。OLEDを採用した5.8型のSuper Retina HDディスプレーは、黒が深く締まりながら発色が鮮やか。輝度も十分なので、視認性はとても高いと感じた。明るい日中でも隅々まで見やすいので、厳密なフレーミングを要求するシーンでも不満なく使えた。

 iPhone 8 Plusよりも幅を抑えてスマートになったボディーは持ちやすく、縦位置でも横位置でもしっかりと構図を決めてホールドできた。ただ、ボディーの表面仕上げがとても滑らかなので、乾燥しているこの時期はうっかり手を滑らせないように注意したい。背面もガラス製となり、パネルを割ってしまう危険性が増したからだ。

iPhone Xの暗所性能はなかなかである。ガード下の楽しそうなお店をスナップしたが、テーブルの上にあるビールの銘柄までしっかりと描写している。ガード下独特の雰囲気や色合いもうまく再現してくれた(ISO32、1/20秒、F1.8)
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カメラ機能はiPhone 8 シリーズと同様に基本性能が高く、起動やオートフォーカスの速度、連写のレスポンス、オートホワイトバランスなど、ストレスを感じることが少ない。外光と室内光によるミックス光の下でも、ヒトが心地よいと感じる色合いに合わせてくれるのがうれしい(ISO40、1/25秒、F1.8)
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色再現はやや記憶色重視のセッティングとなり、澄みわたる青空から鮮やかな紅葉まで、見た目の印象に近い仕上がりとなった。ディテールの描写もしっかりしており、木々の葉や水面、集う人々、植え込み脇にいるカモまでしっかり判別できる(ISO20、1/1230秒、F1.8)
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