アップルの新型iPhoneが出そろった。iPhoneで写真を満喫したい人は、カメラの性能が向上した最上位モデル「iPhone X」が気になっていることだろう。だが、使い慣れた操作性を継承している点や、高すぎない販売価格で入手できる大画面モデル「iPhone 8 Plus」も無視できない存在といえる。

 そこで、デュアルカメラを搭載して写真撮影を重視した両機種の実力を改めてチェックしていきたい。今回はiPhone 8 Plusを使って実際にいろいろと撮り歩き、画質や感想をまとめたいと思う。

iPhoneの最新モデル「iPhone 8 Plus」。SIMフリー版の価格は、64GBモデルが8万9800円、256GBモデルが10万6800円。在庫は各色とも潤沢で、アップルストアでの通信販売は翌々日に到着する
[画像のクリックで拡大表示]

撮像素子とCPUの世代交代で基本的な画質が向上

 スタンダードなスタイルを継承するiPhoneは、例年通り4.7インチ液晶の「iPhone 8」と5.5インチ液晶の「iPhone 8 Plus」の2モデルが登場した。パネルサイズ以外の大きな違いは、背面カメラにある。iPhone 8は、35mm判換算で29mm相当/F1.8の広角レンズを搭載するのに対し、iPhone 8 Plusは29mm相当/F1.8の広角レンズと57mm相当/F2.8の望遠レンズのデュアルカメラとなる。ワンタップで2つの焦点を切り替えたり、ピンチインやピンチアウト、スライダーでシームレスにデジタルズームできるのはこれまでと同じである。

 従来のiPhone 7/7 Plusと比べ、写りは確実によくなっていると感じた。撮像素子とCPUがアップデートされたことで、画質が明らかに向上しているのだ。色味は、記憶色寄りの鮮やかなものになったうえ、暖かみのある色合いに変更された。といっても、多くのAndroidスマホのようにギラギラとした派手な発色ではなく、あくまでも自然な風合いなのが好印象だ。

 暗所性能もよくなっている。ノイズ感が減少して見た目に近い描写になっており、低照度下でも安心してシャッターを切れるだろう。デュアルカメラは広角レンズ、望遠レンズともクリアでヌケ感がよく、シャープさが増した印象を受ける。デジタルズームを用いた撮影も、従来よりクッキリとした写りになったと感じられ、中間の5倍ズーム程度の画角ならば十分使える画質になっている。

夜間撮影でもiPhoneは頼もしく活躍する。暗い場所でもISO感度をあまり上げずに手ぶれ補正機構に頼る伝統のチューニングは変わらないが、暗所性能が向上したようでシャドー部のノイズが減っている。従来モデルはもっとノイジーな描写になり、空部分などはザラザラとした写りになっていた(ISO100、1/5秒、F1.8)
[画像のクリックで拡大表示]
iPhone 8シリーズで撮影した写真を見ての第一印象は「色が鮮やかになったな」ということである。誰でもシャッターを押しただけで自然かつ美しい色再現の写真を得られるので、素直に歓迎したい。色合いのよさもさることながら、細かいディテールの再現も良好なのがうれしい(ISO20、1/1656秒、F1.8)
[画像のクリックで拡大表示]
薄暮の街並みを撮ったが、ぶれることなく鮮明なイメージを手にすることができた。望遠側のレンズを使って撮影したのでISO250まで上がっているが、ビールケースや看板などの文字もしっかりと判別できる(ISO250、1/50秒、F2.8)
[画像のクリックで拡大表示]
●記事の初出時、「光学式手ぶれ補正機構のおかげでぶれることなく鮮明なイメージを手にすることができた」と記述していましたが、iPhone 8 Plusは光学式手ぶれ補正機構を搭載していませんでした。該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正します。[2017/11/20 11:30]
東京駅のドームをデジタルズームで撮影。約128mm相当までズームしたがシャープな描写となっており、約300mm相当となる最大域までズームしなければブログやSNSなどで十分使える画質になっていると思う(ISO20、1/941秒、F2.8)
[画像のクリックで拡大表示]