富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X」シリーズは、抜群の色再現と描写性能に優れたXマウントレンズの存在が写真ファンに高く評価されている。レンジファインダーカメラ風のデザインを採用したシリーズと、一眼レフカメラ風のデザインを採用したシリーズの2つの柱で構成され、それぞれ複数の機種をラインアップしている。

レンジファインダーカメラ風のデザインを採用する「FUJIFILM X-Pro2」
[画像のクリックで拡大表示]
一眼レフカメラ風のデザインを採用する「FUJIFILM X-T2」(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 レンジファインダー風のシリーズは、光学式と電子式のハイブリッドファインダーを搭載したマニア向けモデル「X-Pro2」を最上位モデルに据える。オーソドックスな電子ビューファインダーを採用した下位モデルの新製品としてこの秋に登場したのが、今回紹介する「X-E3」だ。2013年11月に登場した先代のX-E2(海外ではX-E2Sという派生モデルが存在)以来、このスタイルを待ち焦がれていたファンは多いだろう。

富士フイルムが2017年9月末に発売したミラーレス一眼の入門機「FUJIFILM X-E3」。実売価格は、ボディー単体モデルが10万5000円前後、レンズキットが14万円前後、23mmF2レンズキットが14万円前後
[画像のクリックで拡大表示]

上位機種と同じ高画質、小型軽量ボディーには開放F2の単焦点が似合う

 X-E3は、一眼レフのペンタプリズムを模した上部の出っ張りもなく、端正なスタイルを継承する。目を引くのが、背面の4方向ボタンを取り去ってタッチパネル液晶を採用したこと。ボタンの簡略化と合わせ、ボディーはギリギリまでサイズと重量を切り詰めており、ミニマルを名乗るにふさわしい仕上がりとなっている。

X-E3の背面には、デジカメで一般的な4方向ボタンが存在しない。4方向ボタンを用いて操作していた機能は、タッチパネルやジョイスティックに委ねられている
[画像のクリックで拡大表示]

 小型軽量化を図りながら、肝心の画質を軽視していない点は評価できる。撮像素子はX-Pro2やX-T2の両フラッグシップ機と同じ有効2430万画素のX-Trans CMOS IIIを、画像処理エンジンも同じX-Processor Proを搭載しており、同じレンズさえ用いれば前述のハイエンド機と同じ画質で撮れるのである。シリーズの最小最軽量ボディーで最高の「X」画質を堪能できるのは大きな魅力だと感じる。

 実際にブラブラと街をスナップしていても、それは大いに実感できた。レンズキットに付属する標準ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」に加え、X-E3にマッチする軽量コンパクトで防塵防滴構造の単焦点レンズ「XF23mmF2 R WR」「XF35mmF2 R WR」「XF50mmF2 R WR」の4本を持ち歩いたが、足取りも軽く疲れ知らずで快適に撮影を楽しめた。装備も気分もまさにミニマルであった。

キットレンズのXF18-55mmF2.8-4 R LM OISで古民家を撮影。屋根から木々のディテールまで、細やかな写りが好ましい。色合いも自然で、X-Trans CMOS IIIセンサーならではと感じさせる絵になった。開放F2の単焦点レンズが付属するキットが欲しいと思っていたが、XF23mmF2 R WRが付属する23mmF2レンズキットが新たに加わった(XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS使用、ISO400、1/340秒、F8.0、-1補正)
[画像のクリックで拡大表示]
今回は開放値F2のWRシリーズの単焦点レンズ3本を使ったが、これらがあればたいていのシーンは不満なく撮影できるだろう。フットワークを生かして絵作りに専念すれば、目の前のシーンを印象的に切り取れる。夕方前のやや湿り気を帯びた空とインテリジェントな高層ビルを23mmのレンズで撮影(XF23mmF2 R WR使用、ISO400、1/1500秒、F13.0、-1.3補正)
[画像のクリックで拡大表示]
X-E3には、開放F2のWRシリーズの単焦点レンズがよく似合う。装着したたたずまいもミニマルで美しいし、実際に手に持っても軽快で振り回しやすい。絞り開放でのボケ方もスムーズかつ自然で、とても品があるからだ。価格も手ごろなところもいい(XF35mmF2 R WR使用、ISO200、1/140秒、F2.0)
[画像のクリックで拡大表示]
■変更履歴
・記事の初出時、「短焦点レンズ」と記述していましたが、正しくは「単焦点レンズ」でした。該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正します。[2017/11/24 13:00]