手のひらサイズの小型ボディーながら、驚きの超望遠撮影が可能なのが、キヤノンのコンパクトデジカメ「PowerShot SX」シリーズだ。自分も少し前のモデルを使っているが、スマートフォンとはひと味もふた味も違う絵作りが楽しめるので重宝している。この5月末、そんなSXシリーズに新型が登場した。「PowerShot SX730 HS」(以下、SX730 HS)である。

キヤノンが5月25日に発売したコンパクトデジカメの新製品「PowerShot SX730 HS」。35mm判換算で24~960mm相当の光学40倍ズームレンズを搭載する。実売価格は4万8000円前後
[画像のクリックで拡大表示]

撮像素子やレンズは据え置きで、背面液晶をチルト式に改良

 SX730 HSは、2016年3月に登場してベストセラーとなった「PowerShot SX720 HS」の正常進化モデルだ。一番の変化は背面液晶である。これまでの固定式から、上側に180度跳ね上げられるチルト式に進化し、セルフィー(自分撮り)やローアングル撮影がしやすくなった。ボディーはやや厚くなったが、得られるメリットを考慮すれば納得できる範囲だろう。新たにBluetoothにも対応し、スマホアプリ「Camera Connect」を使っての常時接続が可能になった。撮影した写真をすぐにスマホの画面で確認したり、スマホに取り込んでSNSでシェアすることが簡単になった。写真の楽しみが広がる機能アップは歓迎したい。

 撮像素子やレンズ、画像処理エンジンはSX720 HSから据え置かれた。もっとも、シリーズの売りであるレンズは35mm判換算で24-960mm相当の光学40倍ズームで、いまだこのクラス最高のズーム倍率を誇る。画質劣化の少ないプログレッシブファインズームを併用すると、1920mm相当の80倍ズームに対応する点も従来と同様だ。有効約2030万画素の1/2.3型CMOSセンサーとDIGIC 6の組み合わせも受け継いでいるので、基本的な画質や撮影性能はSX720 HSと同等といえる。

▼24mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
▼68mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
▼255mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
▼960mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
▼1920mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
▼3840mm相当
[画像のクリックで拡大表示]
お城をワイド端(24mm相当)から光学40倍(960mm相当)のテレ端、プログレッシブファインズームを利用した80倍(1920mm相当)、さらにデジタルズームも併用した160倍(3840mm相当)で撮影。コンパクトなボディーでここまで寄れるのに改めて驚いた。スマホのカメラ機能ではできない芸当である。写りも全域で納得の画質だ
お城の石垣を撮ったカットだが、石の立体感やテクスチャー感、枯れた蔦の精細感など、センサーサイズを考えるとなかなかの写りではないだろうか。色味も自然である(187mm相当、ISO320、1/100秒、F5.6、-0.7補正)
[画像のクリックで拡大表示]