写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、自作PCパーツや低価格パソコンなどで知られるエイスーステック・コンピューターが発売した光学3倍ズームレンズ搭載Androidスマホ「ZenFone Zoom」の実力を検証してもらった。単焦点レンズが当たり前のスマホにとって、遠くにある被写体を大きく写せるズームは憧れの機能だが、気になる画質はどうだろうか?

 スマホなのに光学3倍ズームレンズを搭載した意欲作が登場した。エイスーステック・コンピューター(ASUS)が2月に発売したSIMフリーのAndroidスマホ「ZenFone Zoom」だ。その写りはどれほどのクオリティーであろうか。

エイスーステック・コンピューターが2016年2月に発売したSIMフリースマホ「ZenFone Zoom」。5.5型の大型パネルを搭載した光学3倍ズームレンズや光学式手ぶれ補正機構を搭載した意欲作だ。32GBモデルの実売価格は5万円前後
[画像のクリックで拡大表示]

 Androidスマホとしての機能は「ASUSの光学ズームスマホ『ZenFone Zoom』の長所と欠点 SIMフリー高性能モデルの実力は?」の記事に譲るとして、一番気になるのが光学3倍ズームレンズの写りだ。このZenFone Zoom、ルックスは普通のAndroidスマホそのものだが、この薄いボディーのどこにズームレンズが隠されているのだろうか? 通常、ズームレンズというとコンパクトデジカメのように鏡筒がグイ~ンと繰り出すタイプのものを想像するが、そのような機構は見当たらない。

ZenFone Zoomの前面は、一般的なAndroidスマホとまったく変わらない
[画像のクリックで拡大表示]
ZenFone Zoomの背面。光学3倍ズームレンズを内蔵するが、レンズの周囲はやや盛り上がっているだけにとどまる。ズーム時もレンズは飛び出さない
[画像のクリックで拡大表示]

 答えは、「屈曲光学系」のズームレンズを採用していることだ。屈曲光学系とは、プリズムを用いて入射光を直角にグッと曲げ、イメージセンサーに導いてやる方式である。これならば前後方向にスペースを確保せずに済み、薄くコンパクトなボディーにも収められるのだ。屈曲光学系のレンズユニットはレンズが張り出さず密閉構造を確保できるため、防水&耐衝撃ボディーを売りにするタフネスタイプのコンパクトデジカメなどでも採用されている。

 ZenFone Zoomは、レンズメーカーであるHOYAと協業して開発した10層構造のレンズユニットを搭載している。4枚の非球面レンズと4枚のガラス、そして2枚のプリズムから構成されている。4段分相当の光学式手ぶれ補正機構も積んでいるので、手ぶれによる失敗を防いで高画質で撮影しやすくなっている。

ZenFone Zoomの光学系。プリズムを2つ使うことで光軸を折り曲げ、レンズが飛び出すことなく光学3倍ズームを実現
[画像のクリックで拡大表示]
ZenFone Zoomに搭載されているレンズユニット(上)。とてもコンパクトな設計なのが分かる
[画像のクリックで拡大表示]