写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、キヤノンが3月25日に発売したデジタル一眼レフカメラの中級機「EOS 80D」を紹介する。旧モデル「EOS 70」から2年半ぶりのリニューアルとなる意欲作。撮像素子の画素数アップや画像処理エンジンの刷新、オートフォーカスの測距点の増強、像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」の改良、ファインダーの視野率100%化など、多岐にわたる改良を図った。従来モデルやスマホからのステップアップに最適な注目モデルの実力を、三井カメラマンに検証してもらった。

 キヤノンのEOSシリーズの中核を担う中級機「EOS 80D」が登場した。画素数アップやAF性能の向上を図り、より使えるミッドレンジ機へと進化を果たした。

キヤノンが3月25日に発売したEOS DIGITALの高性能デジタル一眼レフ「EOS 80D」。実売価格は、ボディー単体モデルが12万5000円前後、EF-S18-55 IS STM レンズキットが13万4000円前後、ダブルズームキットが16万円前後、EF-S18-135 IS USM レンズキットが17万円前後
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 最新のEOS 80Dと先代の「EOS 70D」は、パッと見では外観はどこが変わったか分からないほどで、EOSシリーズの中級機らしいデザインをしっかりと継承している。しかし、実際にEOS 80Dを手にすると、使い勝手を向上させるために操作系にいろいろと手を入れたことが分かった。

 まずは背面のQボタンや再生ボタンだ。EOS 70Dでは、ボディー形状に合わせたような特殊な形状だったが、EOS 80Dではオーソドックスな円形となり押しやすさが向上した。円形ボタンは、押す場所によって感触や押す力の違いが少ないので、この改良は素直に歓迎したい。ただ、同時に変更されたマルチコントローラーはいただけない。中央の十字ボタンと周囲のホイール部分の感触の差があいまいになり、操作に戸惑うことがままあった。

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EOS 80D(左)とEOS 70D(右)。中級機らしい重厚感のあるフォルムは継承しつつ、細部をリファインして質感を高めた
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EOS 80D(左)とEOS 70D(右)。ボタンレイアウトに変化はないものの、EOS 80Dではボタンの形状が見直されて円形で統一された

 撮像素子はAPS-Cサイズで変わらないが、画素数は有効2420万画素とEOS 70Dよりも高画素化された。画像処理エンジンはDIGIC 6になり、高感度特性も強くなっている。常用ISO感度はISO100~16000になり、ニコンの競合モデル「D7200」に迫るスペックとなったのが頼もしい。

 一番うれしいのは、AFの測距点がEOS 70Dよりも大幅に増えたところだろうか。EOS 70Dでは19点だったのが、EOS 80Dではオールクロス45点(F8時は最大27点)となった点は素晴らしいと思う。測距エリアも4種類用意され、被写体にあったモードを選択可能だ。ライブビュー時やムービー撮影時に高速でなめらかなAFを可能にする像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」も改良され、対応レンズが増えた。

オートフォーカスやシャッターレスポンスなどはキビキビとして気持ちがいい。エントリー機からのステップアップや上級機のサブカメラとしても満足のいく仕上がりだと思う(EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM使用、ISO320、1/500秒、F5.6、+1補正)
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個人的には、露出がややオーバー目に感じた。好みにもよるだろうが、被写体によっては積極的に露出補正をしてイメージ通りの絵に近づける必要がありそうだ(EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM使用、ISO100、1/125秒、F5.0、-1補正)
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色味は見た目に近いが、いくぶんアッサリ目の印象だ。これも好みに応じて設定を変えてイメージ通りに持っていくのがいい(EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM使用、ISO100、1/200秒、F9.0)
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