「男のアンチエイジング」をテーマに専門家に最先端の方法を解説してもらう連載。今回は、「なぜ老化するのか」「どうすれば若々しくいられるのか」を、日本抗加齢医学会名誉理事長、日本抗加齢協会の理事長で、国際フリーラジカル学会会長も務めた京都府立医科大学の吉川敏一学長にうかがった。

活性酸素に触れなければ老化しない?

[画像のクリックで拡大表示]

――アンチエイジング医学とは、いかに「老化」を抑え、末永く人生を楽しむかを研究しているのですよね。その老化の最大の原因は活性酸素といわれていますね。

吉川敏一学長(以下、吉川学長): ほとんどの病気は多かれ少なかれ活性酸素やフリーラジカルから起こるといえる。代表的な病気ががん。強いストレス、紫外線や放射線を浴びると活性酸素が出て、それがDNAを壊して細胞の変異を招く。

 動脈硬化もそう。血管壁に酸化変性LDL(悪玉コレステロール)がくっつくと、マクロファージがやってきて、活性酸素で酸化変性LDLをやっつけようとする。そのとき血管が傷つき、硬くなる。その動脈硬化が進むことで、脳卒中や心筋梗塞が起こるわけだ。糖尿病も、血糖値が高くなると活性酸素が増えることが分かっている。

 病気にならなくても、活性酸素によって人体の酸化が進むと、細胞のDNAや細胞膜が壊れる。その結果が老化だ。

――では、仮にまったく活性酸素にさらされなければ?

吉川学長: 老化は起こらないだろう。実際、ハダカデバネズミという、地中で暮らすネズミは30年くらい生きる。普通のネズミは3年ぐらいの寿命なので10倍長生き。傷ついたDNAを修復する力も強いけど、酸素が少ない場所で暮らしていることが大きいのだろう。

 酸素を吸うと、その数パーセントは体内で活性酸素に変わる。でも酸素は生きるために必要だから、吸わないわけにはいかない。そこで抗酸化物質を体の中にたくさん入れると、これがアンチエイジングに結びつくわけだ。

 抗酸化物質は食品から摂取することもできるけど、自分で作る抗酸化酵素というものもある。ところが抗酸化酵素を作るには、反対に酸化力が高いフリーラジカルや活性酸素に触れる必要があるんだ。アルコールを飲むことでアルコール分解酵素が増えるのと一緒で、毒物が入ってくるとそれを消去する力が強くなってくる。そこで軽いストレス、軽い運動、軽い紫外線が必要。運動すると活性酸素が増えるけれど、適度な運動をしている人は長生き。

 紫外線も日焼けしない程度ならプラスになる。日焼けというのは、皮膚で酸化反応が起こっているから、それをブロックするためにメラニンが作られる。だから、日焼けするほど紫外線を浴びてはアカンわけ。