ソニーのミラーレス一眼「α」用の交換レンズは、フルサイズの「α7」シリーズに向けた高性能の「G Master」シリーズが注目を集めている。すでに、標準ズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」とポートレート向きの「FE 85mm F1.4 GM」を発売しており、9月30日には望遠ズームレンズ「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」がいよいよ登場する。G Masterシリーズはいずれも高価なものばかりだが、ソニーは手ごろな価格のフルサイズ対応レンズもラインアップをしっかり拡充している。その1つが、今回紹介する「FE50mm F1.8」だ。

フルサイズに対応したお手ごろ価格の標準レンズ「FE50mm F1.8」(SEL50F18F)。実売価格は2万9000円前後
[画像のクリックで拡大表示]

 フルサイズ対応のEマウントレンズでは、2013年発売の「ゾナーT* FE55mm F1.8 ZA」が一定の評価を受けている。この連載では取り上げそびれてしまったが、僕も購入して気に入って使っている。この夏には、開放F1.4と明るい「プラナーT* FE50mm F1.4 ZA」も登場した。仕事で少し使ったのだが、人物を撮れば髪の毛の一本一本まで繊細に描き出し、ボケ味もとろけるようで実に素晴らしかった。しかし、値段と大きさも立派なので、カールツァイスのOtusのような「キヨミズな一本」感が漂う。

カールツァイスブランドの「ゾナーT* FE55mm F1.8 ZA」(SEL55F18Z)。実売価格は9万円前後と高めだ
[画像のクリックで拡大表示]
同じくカールツァイスブランドの「プラナーT* FE50mm F1.4 ZA」(SEL50F14Z)。実売価格は17万円前後と、かなり値が張る
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、このFE50mm F1.8は手ごろな値段と小型軽量の仕上がりで、以前にこの連載で取り上げた“撒き餌レンズ”ことキヤノンの「EF50mm F1.8 STM」をほうふつとさせる印象だ。この価格帯のレンズがどれほどの実力を持っているかを試そうと、今回はあえて高い解像度を誇る最新の4240万画素モデル「α7R II」と組み合わせて実写してみた。印象としては、絞り開放ではやはり描写の甘さが目立つものの、名前がそっくりなライバル(?)のEF50mm F1.8 STMほどではなく、思った以上の描写性能を持っていた。もっとも、実売価格はEF50mm F1.8 STMの倍近く高いので、当然といえば当然なのかもしれない。

α7 IIに装着したところ。小型軽量のボディーとのバランスがちょうどよい
[画像のクリックで拡大表示]
主題と背景のバランスを取りやすいのが標準レンズの強み。突然のシャッターチャンスもしっかりと捉えやすい。ボケ味も素直だ(α7R II使用、ISO100、1/500秒、F1.8)
[画像のクリックで拡大表示]
逆光への強さは、実売2万円台とは思えないほど。アンダー気味に撮影したが、α7R IIの性能もあって暗部もしっかり粘っている(α7R II使用、ISO100、1/1600秒、F8)
[画像のクリックで拡大表示]
描写性能については次ページで詳しく書いているが、絞ればピントの合った部分は緻密な像を結ぶ(α7RII使用、ISO400、1/50秒、F4)
[画像のクリックで拡大表示]