今回のお題は、富士フイルム独自のX-Trans CMOS IIIセンサーを搭載した高性能ミラーレス一眼「FUJIFILM X-T2」だ。一眼レフ似のスタイルにEVFを搭載する速写モデル「FUJIFILM X-T1」の後継機。見た目はX-T1とほとんど変わりないが、EVFの表示性能やAF性能、操作性を大幅に改善した。別売の縦位置パワー・ブースター・グリップを装着すると、連写性能や撮影間隔、AF性能などが向上するというギミックも用意する。動きものの撮影が多い落合カメラマンはさっそく注目したのだが、なぜか落ち着かない様子…。

 やっと見えた気がしました。X-Trans CMOSの「画」(絵)が欲しいとは思いつつも、ちょっとだけ高く感じている敷居をまたぐことに躊躇していた私が採るべき行動が。詳しくはWebで!って、そりゃココか。詳細は後半で白状することにしましょう。

富士フイルムが2016年9月に発売した、Xシリーズのフラッグシップモデル「FUJIFILM X-T2」。実売価格は、ボディー単体モデルが16万8000円前後、標準ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属するレンズキットが20万8000円前後。装着している単焦点レンズ「XF23mmF1.4 R」の実売価格は9万8000円前後
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X-T1に対するさまざまな意見や要望をもとに性能を磨き上げたX-T2

 今回、取り上げるのは富士フイルムの「X-T2」。あえていうまでもなく「X-T1」の後継機であり、「X-Pro2」とともに同社の「フラッグシップ・ツインズ」を演じることになっている実質的なトップモデルだ。登場当初ではなく、今このタイミングで語るのであれば、富士フイルムのフラッグシップ機は中判ミラーレス一眼「GFX 50S」とするべきであるような気がしないでもないけれど、アレはなんというか、別次元の生き物(←最大限のホメ言葉です)なので、APS-Cセンサー搭載機と同列に語るべきものではないとここでは判断、以前と変わらずに「ツイン・フラッグシップ」であると捉えさせていただきます。あくまでもココでは、ね。

 X-T2は、高速性能と動体対応能力がさらに磨かれたのが大きな特徴。オプションの縦位置パワー・ブースター・グリップを装着したとき、ポパイのほうれん草のごときパワーアップが得られる、'60年代から'70年代生まれのココロを絶妙にくすぐって止まない「BOOST」モードを備えているのもバッチグーだ。同モードでは、あたかもガソリン冷却に拍車がかかったようにバッテリーの消耗が目に見えて激しくなるという、過給器を搭載したカリカリチューンエンジンのごとき味わいを再現しているところもジツにヨロシイです。別に、わざとそのように演出しているワケではないと思いますが(笑)。

純正アクセサリー「縦位置パワー・ブースター・グリップ VPB-XT2」(実売価格は3万2000円前後)を装着したX-T2
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カメラ本体とは別に2つのバッテリーを装着でき、BOOSTモードにすると連写やAFなどの性能が高められる
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 EVFの視認性にも磨きがかかった印象だ。そして、アナログ的な操作感とデジカメならではの使い勝手を従前よりも高い次元で両立させているところにも好印象。X-T1で実現し好評を得ていた「X-T1ならではの魅力」に満足することなく、市場から寄せられた意見を素直に受け入れ愚直に手直しすることで、現代の「カメラ」としての完成度を飛躍的に高めてきた――X-T2のありようをひとことでいうなら、そんないいかたになると思う。

 それだけに、X-T2は新たに「Xの世界」に足を踏み入れようとしている人にだけではなく、X-T1ユーザーの心をも大きく揺さぶる「これ以上なくまっとうな後継機」になっている。機能だけを見るなら、X-T1ユーザーがあえてX-T1で踏みとどまる理由はないハズだ。

 「四の五の言わず買い替えるっきゃないでしょ?」

 無責任な傍観者としては、そんなふうに言い放ちたくもなってしまう「とてもよくできた」X-T2なのである。

キットを組むXF18-55mmF2.8-4 R LM OISのワイド端で撮影。目がチカチカしてしまうほどの解像に息を飲む(XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS使用、ISO1250、1/250秒、F5.6、-1補正)
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見たままの立体感を見事に再現してくれたところに大満足。f5.6まで絞っていることもあり、周辺端まで乱れのない描写も見せる。高ISO感度時の“粒状感”には独特なものがあり、あるいはその点に好みが分かれるかもしれないが、プリントとの相性は悪くない(XF23mmF1.4 R使用、ISO1250、1/250秒、F5.6、-0.7補正)
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名玉との誉れも高いXF23mmF1.4 Rのf1.4開放撮影。開放F値でもこの描写である。絶対に欲しくなるなぁ、このレンズ(XF23mmF1.4 R使用、ISO1250、1/250秒、F1.4、-2補正)
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