今回のお題は、35mm判換算で24-200mm相当/F2.8通しの明るいズームレンズを搭載したソニーの高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-RX10M2」(RX10 II)だ。レンズ性能やボディー形状は初代モデルのRX10と変わらないものの、撮像素子をソニー独自の積層型CMOSセンサーに置き換えたのが特徴。データの読み出し性能が従来の5倍超にまで向上したことで、ゆがみを抑えた1/32000秒の高速電子シャッターに対応した点が注目される。各社の1型センサー搭載高倍率ズームデジカメを愛用している落合カメラマンは、当初「初代モデルとあまり変わりないんじゃないか?」と感じたが、初代モデルと一緒に使い比べると「デジカメのステージが上がった!」と大絶賛したという。

 借用したRX10 IIのみを持って最初に出かけたとき、その使用感に大した感動はなかった。初代RX10を使ってきた(その後パナソニックのFZ1000に浮気してる)経験を踏まえ「初代とあんまり変わってないよなぁ」なんてコトを思ってしまったからだ。

 おっと、ここで早とちりしちゃイケマセンぜ。これはあくまでも個人的な第一印象で、しかも結果的には誤った認識だったのである。翌日、自分の初代RX10を一緒に持ち出し一緒に使ってみて愕然。ファインダーやモニターの見えが全然違うし連写の速度も段違い。どうやら、浮気している最中にRX10の使い心地をすっかり忘れていたようである。ゲスな男だね(笑)。

ソニーが2015年8月に発売した高倍率ズームデジカメ「Cyber-shot DSC-RX10M2」。初代モデル「Cyber-shot DSC-RX10」と外観はほぼ変わりなく、わずかにボディー前面のロゴが違うぐらいにとどまる。実売価格は15万円前後で推移している
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外観は変わらないが、EVFや液晶の視認性とズームの操作性を着実に改良

 ファインダーに関しては、視認性そのものに大きな差はなくとも表示クオリティーが初代RX10とは全然違う。カタログのスペックを見てみると、ビューファインダーに関しては、RX10が「0.39型 144万ドット」、RX10 IIが「0.39型 2,359,296ドット」とのこと。ドット数の表記方法が変わっている理由は不明も、RX10 IIがより精細な表示をする仕様であることは確かなようだ。

 背面のモニターは、晴天時の日中に屋外で使うと“進化”のほどが文字通り白日の下に晒される。周囲の明るさに負けほとんど見えない状態となる旧型に対し、RX10 IIはさほどのストレスを感じることなく撮影ができる程度の視認性(表示の明るさ)が確保されるようになっているのだ。スペック上では差がないように見受けられるが、現実には明るさ調整だけでは埋められない違いがあるように感じられる。

 ちなみに旧型は、モニターをチルトして画面を上から見下ろすような使い方をしているとき(ローアングル撮影などでよく見られるスタイルだ)、EVF接眼部の出っ張りがモニターの少なくない面積を隠してしまうというトホホなところがあったのだが、それもちゃんと手直しされている。また、電動ズームのスピードも、「標準」設定(従前とほぼ変わらぬズームスピード)のほかにより速く駆動する「高速」設定が選べるようになった。ズームスピードの向上が顕著なのは動画撮影時。でも、動画時に「高速」設定でズーミングすると駆動音が盛大に録音されてしまうというネガな部分も……。というワケで、こまめな設定変更が必要であるとの思いをいだくこととなり、その流れでカスタムボタンにズームスピード設定の項目を割り当てたくなったのだけど、残念ながらそれはできないようだ。

テレ端200mm相当での撮影。きっちりピントを合わせれば相当に精細な仕上がりをプレゼントしてくれる。あれっ?と思う仕上がりは微少なピンぼけであることがほとんどだ(ISO125、1/200秒、F2.8、-2EV補正)
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▼RX10
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▼RX10 II
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仕上がり画質で新旧の違いを感じることはほとんどない。高感度画質もまたしかり(左:ISO3200、1/3秒、F5.6 右:ISO3200、1/4秒、F5.6)
ワイド端24mm相当での撮影。レンズ先端からの最短撮影距離はRX10のワイド端が約3cm、テレ端が約30cmに対し、RX10 IIのワイド端は変わらず約3cm、テレ端は若干短縮されて約25cmとなっている(ISO800、1/1000秒、F2.8、+1.7EV補正)
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