2017年10月11~13日、東京ビッグサイトで「iOFT2017 国際メガネ展」が開催された。メガネはファッションであり、実用品であり、職人技であり、デザインであり、道具でありと要素が多岐にわたるため、毎年、さまざまな業界の人々が集まる大きなイベントだ。

 今年は、最新技術を応用したものやデザイン的に見どころがある展示が増えた印象。その中で特に目を引いた展示から5つを厳選して紹介する。その多くは、iOFT2017で初お目見え、メガネ業界の最先端のものだ。

瞬時に老眼仕様に変わるメガネ

瞬時に老眼仕様に変わる三井化学「Touch Focus」は来春発売予定。アップで見ても普通のメガネにしか見えない
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 今回最も注目を集めていたのは、三井化学の新ヘルスケア事業開発室が出展した「Touch Focus」だろう。レンズの中に透明な液晶レンズを埋め込み、スイッチをオンオフすることで、通常の近眼用メガネが読書用の老眼鏡に切り替わるという。ブースでは、実際に試着できるようになっていたので、さっそく試してみた。

 メガネのツルのレンズよりの部分にあるタッチボタンに触ると、視界の中心からやや下にかけて+0.75の度数が加わり、小さな文字が見やすくなる。もう一度、タッチボタンに触れると、元のメガネに戻るという仕掛けだ。

この金属部分がスイッチ。老眼鏡にするにはここをタッチする
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スイッチを入れると、読書鏡部分が光るのが分かる動画

 パッと一瞬で見えるようになるのがとても新鮮で、たしかに未来を感じる。通常、普通の近眼用メガネとして全部の視界が使え、必要なときだけメガネの一部が老眼鏡になるので、現状の遠近両用メガネに比べて汎用性が高いのは間違いない。ただ、既存の遠近両用メガネのように度の切り替わるエッジの部分にグラデーションがないので、見え方に段差があり、必要以上に頭を動かすとモノが二重に見えたりするという欠点はある。レンズの中に、度を切り替える液晶レンズが入っているという構造上、段差ができるのは現状では仕方がないのだろう。

液晶レンズの構成図。すごい技術なのだ
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レンズの見え方のイメージ図。レンズ中央が読書鏡に切り替わる
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 バッテリーはツルの耳に掛ける部分に入っていて、専用のUSB充電器で充電する。バッテリーは老眼鏡をオンにしている間だけ消費されるので、通常の使用では1週間くらい持つという。連続使用では約10時間ということだ。

耳掛けの部分にバッテリーが付いている
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 発売は2018年春ころの予定。価格も未定だが、20万円くらいにはなりそうだという。しかし、ナイキの自動的にひもが結べるスニーカーといい、このTouch Focusといい、夢のような技術で生活を便利にしてくれる製品が登場するとワクワクする。