多くのエピソードを持つクラシカルな赤いペン

パーカー「デュオフォールドクラシック ビッグレッドCT」(8万円)
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 一度は手にしたい万年筆として、かなり上位に来るであろうパーカーの「ビッグレッド」。万年筆にまつわる伝説は多いが、ビッグレッドほどいろいろなエピソードを持つ万年筆は少ないだろう。

 まず、マッカーサーが日本降伏の調印式で使用したというのは有名な話だ。それ以前に、黒軸ばかりだった万年筆の世界に、初めて赤い軸のカッコよさを知らしめたのも、広告で飛行機を使って空から落としても壊れない耐久性をアピールしたのも、このビッグレッドだ。そもそも、ビッグレッドという通称は、「大きくてインクがたくさん入る赤い万年筆」という意味があり、その実用性の高さとカッコよさで人気を博したものだ。現在発売されている「デュオフォールドクラシック ビッグレッドCT」は復刻モデルになる。クリップの形や軸の素材など、いろいろと改変されているものの、独特の赤と軸に施された刻印、クラシカルな軸のデザインなど、当時のイメージを崩さないように考えて作られている。

インターナショナルサイズは、日本人の手にも似合う標準的なサイズ。キャップは尻軸に差さないほうが書きやすい。インクはカートリッジ、コンバーター共用
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18金のペン先はやや固め。しなりが少ないので強い筆圧でも十分書ける。インクフローがとても良いので、筆圧が弱い人にも扱いやすい。初心者でもスムーズに使える
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このオレンジの軸は、特殊なレジン製らしいが詳細は不明。深みのある発色と、伝統の「DUOFOLD」の刻印が特徴
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キャップ部分がのぞくパッケージのデザインも見事
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 やや個体差はあるものの、堅実なしっかりと文字を紙にしみ込ませるような書き心地で、質実剛健、仕事にガシガシ使える。パーカーのペン先は耐久性を重視しているからか、柔らかくはなく、硬いというイメージが定着している。しかし、18金で大きさも十分にあってインクフローも良いので、紙へのタッチはとてもソフトで、自在に線が書ける。そのストレスのなさも含め、実用性と伝説が両立した名品だと思う。