バッグ業界大手のエースは、2016年1月に新ブランド「ace.」を立ち上げた。これまで複数あった自社ブランドを統合し、“すべての移動を旅と捉え、その移動を快適にする最適なカタチを提供する”というコンセプトのもと再始動。現在、ace.ブランドはトラベル・カジュアルシーン向けの「トーキョー レーベル」と、ビジネスシーンを想定した「ジーン レーベル」、企画商品を扱う「1940レーベル」の3ラインで構成されている。

背中のカーブに沿ってリュックが曲がる

 まず紹介するのはトーキョー レーベルの注目モデル「キャラパック」。亀の甲羅を意味する“carapace”と“backpack”を合わせた造語で、その名の通り亀の甲羅を想起させる多面デザインが特徴だ。

ace.「キャラパック(1気室リュック)」(1万2000円)
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 多面構造により、背中のカーブに沿ってリュックが曲がる。前面だけでなく背中が当たる部分にも溝があり、自転車に乗る際など前かがみになってもリュック背面がぴったり背中にくっつく。動きに合わせてフィットするため背負いやすいのだ。

背面にも溝が入っているため、リュックが曲がり背中にフィットする
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 そもそも自転車シーンを想定して作られたキャラパックだが、ビジネスでも使いやすいように内部にPC収納が付いている。しかし、ここで疑問が生じる。「いくらリュック自体が曲がるといっても、PCを入れると曲がらないのでは?」と。

 この矛盾に対して、PC収納ポケットを宙づりに設計することで解決。PCポケットの下部が可動するため、背面が湾曲しても影響しないのだ。また、この機構は首元に荷重が集まるため、重さを感じにくいメリットもあるという。

PC収納は下部が可動式で、首元から吊るされているような作りになっている
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 メインコンパートメントはササマチを外すと大きく開く。メッシュの仕切りが付いており、スーツケースのような内装になっているので、着替えなども入れやすいデザインになっている。これも自転車シーンを想定した作りといえる。

スーツケースのような内装
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 上部ポケットは内部にファスナーが付いていて、メインコンパートメントとつながっている。ここからメイン室にアクセスすることもでき、また長い荷物を収納する際にも役立つ。

小物収納に便利な上部ポケット
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内部にファスナーがありメインコンパートメントとつながっている
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 キャラパックは2017年に発売されたモデルで、2018年1月下旬にこの新色が追加された。それまでブラックのネオプレン調の素材だったが、本作にはグレーの混紡素材を採用し、やわらかなイメージでより使いやすくなっている。この新色の発売は、もちろんブラックが好調だったからにほかならない。エースのMD本部 MD統括部の南谷 誠サブマネージャーは「カバン専門店に販路を限定し、また型数も1気室と2気室の2型のみというシリーズであることを考えれば、予想外に好調」と話す。

 予想外という言葉は、キャラパックが自転車シーン向けであり、個性的な多面デザインだったことも関係している。「エースは商品数がかなり多いので、より細分化したモノづくりをしていく方向にあります。自転車などカジュアルシーンを意識したリュックが、ビジネスで受け入れられてヒットしました」(南谷サブマネージャー)という。

 ビジネスを明確に想定していたわけではない実験的なデザインだったが、今はビジネスリュックとして注目を集めているそうだ。大手バッグメーカーだからこそできるモノづくりが、多様化したニーズに合致し、意外なヒット商品を生み出した好例といえるだろう。

外装は成型してあるため、モバイル機器を安心して持ち運べるのも魅力。まさに亀の甲羅で荷物を守るデザインだ。サイズはW30×H46×D15cm
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■変更履歴
「ace.ブランドはトラベル・カジュアルシーン向けの「トーキョー レーベル」と、ビジネスシーンを想定した「ジーン レーベル」の2ラインで構成」は誤りで、正しくは「トラベル・カジュアルシーン向けの「トーキョー レーベル」と、ビジネスシーンを想定した「ジーン レーベル」、企画商品を扱う「1940レーベル」の3ラインで構成」でした。お詫びして訂正します。[2018/02/27 19:05]