2017年2月8~10日に開催された巨大なギフト製品見本市「東京インターナショナル・ギフト・ショー」。今年から「グルメ&ダイニングスタイルショー」もギフトショーのひとつとして行われた。これまでは、プロ用の食材や調理機器、食器、台所用品などが主流の展示だったが、今回は、お土産物としての地方のお菓子や飲食物が多く展示されるようになった。
熊本発、ありそうでなかったお菓子
最も頻繁にやり取りされているギフトは、お菓子や飲食物だ。今回のギフトショーでは、お土産として人気のある地方のお菓子や飲食物が多く展示されていた。なかでも熊本と福島のコーナーを大きく取り、飲食物と名産品をブースの中にまとめて展示することで、地域のカラーや特徴を分かりやすく提案していたのが印象的だった。また、ブースが県単位ではなく商工会議所単位なので、千葉県市原市のいちじく、といった狭い地域の特産物やそれらを使った商品に触れられるのはとても面白かった。
筆者が九州出身ということもあるのだが、熊本の復興支援はひとごとではない。その熊本関連で目を引いたのは、熊本県玉名市の農業法人、明るい農村天水の「みかんチップス」。熊本県産のみかんを乾燥させたドライみかんなのだが、これがパリパリと食べられるのにジューシーで、皮の風味も良く、さっぱりとおいしい。砂糖もシロップも使わず、乾燥の技術だけでおいしさを引き出しているのもすばらしい。
同じ熊本関係では、八代市にあるボンブの「どこにもなかった」というキャッチが付いた「レモンケーキ」と、「ケーキ屋さんがつくったいきなりだんご」もおいしかった。熊本産のレモンと八代でとれるコクのある蜂蜜で仕立てたレモンケーキはやや小ぶりながら、レモンの風味が濃厚。甘さも蜂蜜の優しい味わいだ。そもそもレモンと蜂蜜は相性が良いのだが、とても満足度が高いレモンケーキに仕上がっていた。
ケーキ屋さんがつくったいきなりだんごは、その名の通り、熊本名物の「いきなり団子」をモチーフにした洋菓子。サツマイモと小豆あんを薄い生地や餅で巻いたいきなり団子は、素朴だがクセになる熊本の名物だ。これはスイートポテトに小豆あんと生クリームを加え、もっちりしたぎゅうひで巻いたもの。冷凍保存して食べるぶんだけを解凍するのだが、たしかにいきなり団子なのに洋菓子の味で、なんとも面白い。