2017年3月27日、格安海外航空券やパッケージツアーを取り扱う旅行会社「てるみくらぶ」が東京地方裁判所に破産を申請した。その日に行われた記者会見で、経営破綻により影響を受ける利用客は8~9万人で、利用者が同社に対してすでに支払った代金は99億円。また、負債総額は約151億円にも上ることが明らかになった。

 旅行会社が経営破綻した場合、その会社が日本旅行業協会(JATA)の正会員に登録していれば、売上高に応じて国に供託した弁済業務保証金から一定の範囲で利用客に弁済されることになっている。だが、てるみくらぶ代理人の弁護士によると、弁済にあてることができる額は1億2000万円。支払い済みの99億円に対し、1%程度しか返金できないという。たった1%ということは、20万円支払って2000円しか返ってこないということだ。今後ほかの旅行会社が破綻したとしても、この程度の金額しか弁済されないのだろうか。まずは弁済業務保証金制度について、JATAに話を聞いた。

記者会見した「てるみくらぶ」の山田千賀子社長
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取引額が大きいと保証は期待できない

 てるみくらぶが供託していた金額は2400万円。そもそも供託金が少なかったのではないかという疑問をぶつけたところ、「供託金および弁済金の額は旅行業法で定められている」という答えが返ってきた。

 供託金は、各旅行会社の前年度の売上高により決定される。てるみくらぶの2016年度の売上高は195億円。売上高が150億円以上、300億円未満の場合は一律2400万円を納めることになっており、弁済の限度額は供託金の5倍と定められている。よって、今回の弁済金額は1億2000万円ということになるわけだ。

 過去にも旅行会社の経営破綻はあったが、取引額が少なかったこともあり、全額もしくは半額以上は利用客に弁済されていた。しかし、今回のように取引額が大きくなると、今後も補償は期待できないことになる。

格安旅行会社=危ないというわけではない

 経営破綻による被害に遭わないために、大手の旅行会社だけを利用するという考え方もあるが、格安のツアーを企画する旅行会社に必ずしも問題があるというわけではない。人件費や広告費を抑えて、少しでも旅行代金を安くしようと努力している会社もあるからだ。ツアー内容や会社の規模だけを見て「この会社は危ない」「この会社なら安全」と判断するのは難しいだろう。また、家族全員で旅行に行く場合など、少しでも費用を安く抑えたいと考えるのは当然だ。ここでは「万が一、旅行会社が破綻した場合、どうやったら支払い済みのお金が取り戻せるか」という点に絞って、旅行会社の選び方について考えてみたい。