“国産なのに手ごろでおしゃれな腕時計”として人気のブランド「Knot(ノット)」はいかにして生まれたのか。そのストーリーには現在のマーケティングに重要なポイントが凝縮されていた! ドミノ・ピザ ジャパンCMOの富永朋信氏がノットの遠藤弘満社長と対談し、4回に分けてその秘密に迫る。2回目となる今回は「国産腕時計」という価値をいかに発信するかについて。

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富永: 「絶対に『ガイアの夜明け』に出る必要があった」と考えていたそうですね。

遠藤:  ここ最近の時計業界の課題として「腕時計離れ」があります。なぜ腕時計が買われなくなってしまったのかを考えてみると、やはりモノの訴求だけではなかなか厳しいだろうと。

 これからは「コト」の訴求もしていかないといけない。「Knotってかっこいいでしょう」というプレゼンテーションだけではダメで、スマートウオッチもあるこの時代になぜ日本製アナログウオッチを売るのか、日本の時計製造業を復活させる意義は、といったことも世の中にしっかりと伝えていく。それが私たちの独自性になるのではないかと。

 そういうのを広く伝えられるものは何かと考えたときに、『ガイアの夜明け』や『カンブリア宮殿』が思い浮かびました。さらに調べたところ、『カンブリア』は成功した人が主役で、チャレンジャーやベンチャーを取り上げるのは『ガイア』だと気付き、アタックすることにしたのです。

 『絶対ガイア』って決めていたわけではないですけど、「テレビ東京さんの経済系番組に創業から1年以内に出る」というのは最初から決めていたんですね。というのも、ベンチャー特需ってあるじゃないですか。創業1年目、2年目にいろいろなメディアさんに注目をしていただいたのは、創業間もないからなんですよね。4、5年たってビジネスが大きくなっていても、そこまで面白みはない。ということで、“創業1年目の強み”は絶対的だろうと。

そこで、過去1年間くらいの『ガイアの夜明け』を全部見て分析していったら、私どもと同じようなコンセプトで立ち上げられたシャツメーカーさんなど、「メード・イン・ジャパンの復活」みたいなテーマでベンチャー企業さんが数件取り上げられていたんですね。

 知り合いのつてを使ってそのなかの1社とコンタクトをとり、「うちは今こういうことをやっていて、何とか『ガイア』に出たい」と伝え、ガイアの方にプレゼンテーションする機会を得たんです。そしたら、ガイアさんとしても、メード・イン・ジャパン復活は重要なテーマだと。

 そのときプロデューサーさんがおっしゃっていたのは、生地や糸などの繊維系のメード・イン・ジャパンの復活はわりと多いが、クルマやエレクトロニクスなどの工業製品でメード・イン・ジャパン復活を掲げる企業がなかなか現れないと。実はずっと探していたそうなんです。国産腕時計を復活させるというのは、ガイアさんとしても相当面白かったみたいで。

Knot(ノット)の遠藤弘満社長は1974年東京生まれ。米国特殊部隊用腕時計「LUMINOX」を日本に定着させ、「SKAGEN」「noon」「BERING」といった北欧ブランド時計を年間20万本の市場へと成長させたウオッチプロデューサー。2014年、「Knot」を創設
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