短パン社長は高度なコミュニケーションデザイン

 これらのマーケティングプロセスと競争を、短パン社長の露出と照らし合わせてみましょう。

 上記した(1)良い商品を作る(2)それを消費者に知らせ注目を集めるのうち、(2)の後半「注目を集める」という点においては、短パン社長は100点以上の成功を収めています。

 彼のブログを拝見すると、その露出はテレビ番組にとどまらず、業界誌、一般誌など多岐にわたっており、短パン社長自身が非常に面白いコンテンツとして注目を集めていることがよく分かります。つまり、彼の強烈なキャラクターや言動の面白さが視聴者の心に十分残るインパクトとなり、それが次の露出を生み、さらなるインパクトにつながる、という好循環が生じているのです。

 かくいう私もこれらの露出から彼のことを知り、2016年の注目株などといって紹介しているわけで、インパクトの強いキャラクターが二次的・三次的なコミュニケーションにつながり得ることが見て取れます。

 では、(1)良い商品を作る(2)(単なる注目ではなく)その商品を消費者に知らせ、注目を集める という点についてはどうでしょうか?

 彼がテレビなどで取り上げられたときに発信されていることは、彼の企業であるピーアイが開発・生産している商品にはほとんど触れていません。ですので、それ単体では(1)(2)は成立していないことになります。

 しかし、ここが重要なポイントですが、私の場合、彼の存在に触れた瞬間、そのあまりのインパクトから興味本位に彼のブログを読み、彼の事業について調べ、一定の知識を獲得するに至っています。私のような行動を取る人は一定数いるでしょう。

 ということは、短パン社長の露出を契機にして視聴者が能動的な行動を取ることにより、彼の会社や商品と視聴者の間に有機的なコミュニケーションが発生しており、その結果、(1)(2)が高いレベルで成立している、といっていいのではないかと考えます。

 短パン社長が実践していることは、商品やブランドを伝えるという正攻法をとってはいないものの、結果的にそれが達成されるように緻密にデザインされた、高度なコミュニケーションデザインである、ということです。

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