仕事への意欲が低下する“5月病”に見舞われやすい、ゴールデンウィーク明け。気力アップにぜひ役立てたいのが、『仕事文具』だ。システム手帳を思わせる装丁に、文具のカラフルな写真がちりばめられた白く太い帯と帯上のコピー「仕事の創造性を高めてパフォーマンスをアップさせる」が目を引く一冊。魅力的で実用的な文具が計235点、すべてフルカラーで紹介されている。

 見せ方は、1アイテム1ページが基本(たまに、2ページで3アイテム)。商品単体の大きな写真(カラーバリエーションがある場合には色違いを並列)に、具体的な使用風景(例)の写真を添えているため、利用シーンが容易に思い浮かぶ。さらに、なぜその商品をお勧めするのか、使用するメリットや活用提案などがシンプルながらも臨場感ある文章でつづられていく。メーカー名や価格も明示されており、ほとんどは数百円単位と日常的に取り入れやすいのも実用的でうれしい。

 本書が実践的な文具本であることは、章立てからもうかがえる。一般的に文具の図鑑や紹介本は、ノートならノート、筆記用具なら筆記用具と品目別に章が分けられることが多いが、本書はタイトル『仕事文具』が示す通り、ビジネスでの文具利用を意識した章構成になっている。「プレゼンをスマートにする」「A4書類を快適に持ち歩く」など具体的なビジネスシーンを想定したテーマや「付せんを使いこなす」「集中力がアップする単機能ボールペン」など業務で文具を最大限に活用する視点から分けられた全22章。

 「ビジネスで情報をインプットする」第1章では、まず切抜き用カッターやポストイット、ちょっと珍しいしおりなど9品が紹介される。そのラインアップと解説からは、新聞や雑誌、本などはもとより、他人との会話やひらめきといった情報を漏らさずに残そうとする姿勢が感じられる。

 同様に「情報・書類を整理する」第3章では13品、「快適に仕事ができるデスク整理アイテム」の第9章では9品など、22のテーマそれぞれで10品程度の文具が紹介されていく。

 興味深いのは、紹介されているアイテムすべてが、見た目の美も備えていること。効率的かつ機能的な文具は、見ているだけでも気持ちが浮き立ってくるところがあるのだ。

 仕事をしていく上で、文具に触れる時間というのは意外と長い。その長い時間をどう自分なりに整え、彩っていくか。たかが文具、されど文具。小さなアイテムを日常に取り入れていくことによって、仕事へのやる気や姿勢が大きく変わることになるだろう。

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『仕事文具』 土橋 正

 著者は、『仕事にすぐ効く魔法の文房具』などのヒット作でも知られる文具コンサルタント。ステーショナリーディレクターとして、商品開発や文具売り場のプロデュースなども手がけている。単なる懐古趣味やコレクター魂ではなく、仕事を効率的に行うために機能性の高い文具を日常的に用いている暮らしぶりが、説明文からもうかがえる。
(東洋経済新報社/1500円)