(C) 2016「聖の青春」製作委員会
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 100年に1人の天才と言われる羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び賞されながら、29歳という若さで亡くなった棋士、村山聖(むらやま・さとし)。難病と闘いながら将棋に人生を懸け、全力で駆け抜けた彼の半生を描いた映画が『聖(さとし)の青春』だ。

 原作は、専門誌「将棋世界」編集長時代に生前の村山と交流のあった大崎善生氏が2000年に発表した同名ノンフィクション小説。これを松山ケンイチ主演、東出昌大共演で『ひゃくはち』(2008年)、『宇宙兄弟』(2012年)の森義隆監督が映画化した。

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“西の怪童”と呼ばれるプロ棋士がいた

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 路上に倒れた一人の青年が通りかかった男の手を借り、対局現場の関西将棋会館へと向かう。そんな、将棋に全力を注いだ村山聖(松山ケンイチ)の生きざまを象徴するかのようなシーンから映画は幕を開ける。

 村山は5歳のときに「ネフローゼ」という腎臓の難病にかかっていることが発覚。以来、学校にもほとんど通えず療養生活を余儀なくされるが、入院中に将棋と出合って没頭。いつしか“西の怪童”と呼ばれるプロ棋士になっていた。

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 目指すは将棋界最高峰のタイトル「名人」。だが、そんな村山の前に立ちはだかったのが、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士、羽生善治(東出昌大)だ。すでに名人となっていた羽生との初対局で負けた村山は、どうしても羽生の側で将棋を指したいと上京を決意。体調に不安があるため家族や仲間からは反対されたものの、15歳で弟子入りしていた師匠・森信雄(リリー・フランキー)の後押しもあり、ついに上京を果たす。

 上京後、仲間と一緒に酒を飲んだり麻雀をしたりしながら、将棋の腕を磨く村山。そのころ羽生善治は前人未到のタイトル七冠を達成する。ライバルとして羽生をますます意識するようになる村山がようやく羽生を射程圏内に収めた折、聖の身体にがんが見つかる。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」という医者の忠告を聞き入れず、将棋を指し続けることを決意した村山だが、その体は少しずつ病魔にむしばまれていく。

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