前々回、この連載で取り上げたホンダの10代目「シビック」。すでに北米を中心に成功しており、欧州ではハッチバックが今まで以上に売れているという。その最速モデルである「シビック タイプR」のプロトタイプに小沢コージが試乗。その速さに、意味はあるのか?

【コンセプト】確かにやたら速く、なおかつ乗り心地も良い!

ホンダの新型「シビック タイプR」
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 ホントにちょっとだけ、時間にして数分あるかないかですが、ついに乗れてしまいました。新型「シビック タイプR」! ご存じ、この夏に日本で復活する定番FFハッチバック&セダン、10代目「シビック」の最速モデルで、今回は何よりその速さの“質”がウリ。

 前評判によると今やスポーツカーの性能指針の一つとなっている、全長20km以上の世界で最も過酷と言われるクローズドサーキット、ドイツのニュルブルクリンクでFFコンパクト最速の7分43秒80を記録! それまで最速だった旧型タイプRの7分50秒63をさらに7秒弱も縮めてるわけで本当にすごい。

 まず驚くのはそのエンジンパワーで、2L直列4気筒VTECターボで旧型よりさらに10psアップしてピークパワー&トルクは320ps&400Nm。ターボだけに過給圧で出力はいかようになるとはいえ市販エンジンだけに限界アリ。一体どんだけ速くなるの? って感じです。

新型「シビック タイプR」は2017年4月にドイツのニュルブルクリンク北コース行った走行テストで、7分43秒80のラップタイムを記録した
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速さだけでなく、全体のポテンシャルアップ

 ところがちょい乗りが許された栃木研究所内での「ホンダ・ミーティング2017」で担当エンジニアに聞くと、「別にニュル最速にこだわってません」とのこと。「あくまでも先代より性能が上がったことを示したかった」とか。

 たしかに旧型と新型じゃボディーサイズも方向性も微妙に違うし、小沢個人としてもさほどニュルのタイムにこだわりはなく、だから何? という部分もあるのでそれはよかったのですが、であれば逆に新型タイプRはどういう速さを目指したのか。

 真価は、公道試乗まで待たなければなりませんが、今回は垣間見えた市販FF最速モデルが持つ意義について少し独断と偏見で考えてみました。

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