2015年4月にマイナーチェンジされたコンパクトスポーツハッチ「オーリス」。1年がたち、トヨタはハイブリッドグレードを追加した。フォルクスワーゲン「ゴルフ」とガチンコ勝負を繰り広げるダウンサイジングターボ車として登場したはずが、ハイブリッド車を投入した理由、そして完成度は?

【コンセプト】別にプリウスじゃなくてもいいのかも?

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 意外なところから世界最強ハイブリッド「プリウス」のライバルが出現した。その名も「オーリス ハイブリッド」。日本ではそれほど有名でもない、プリウスの身内たるトヨタ欧州戦略ハッチバックの追加車種だが、乗ると意外にあなどれない。もちろん燃費スペックはまるでかなわないが、プリウスにはない骨太な走りに、プリウスにはないオーセンティックなカッコよさに、意外に変わりないサイズとお値段が魅力的。「アクア」「カローラ」「カローラ ハイブリッド」「シエンタ」に続く、第四のトヨタ“伏兵ハイブリッド”と言えなくもないのだ。味わい不足のハイブリッドの中に咲いた、1つの対抗馬をここに紹介しよう。

いまさら出た理由は「ハイブリッドないの?」

 「ハイブリッドはなぜないの? とディーラーでよく言われるんです」(担当エンジニア)

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 オーリス ハイブリッドは、当初国内に出る予定じゃなかった禁断のハイブリッドでもある。そもそも欧州をメインターゲットにした5ドアハッチバックのオーリスはハイスピードの本場、欧州車の味わいが売り。フォルクスワーゲン「ゴルフ」とガチンコ勝負を繰り広げるCセグメントのハッチバック車として、パワートレインはダウンサイジングターボが中心となるはずだった。具体的には2015年、待望のトヨタ初の直噴1.2Lターボエンジンが誕生。新グレード「120T」が、ゴルフをはじめとした並みいるドイツ車を駆逐する予定だっが、意外にも国内の販売現場では「ハイブリッドないの?」と尋ねられてしまう。

 おそらくトヨタ=ハイブリッドのイメージがあまりに強いのと、販売店では小型ハイブリッド「アクア」からのステップアップ需要が予想以上に求められたのと、本場欧州でのオーリス ハイブリッドの人気の高さだろう。アチラでは、いち早くハイブリッド仕様が売られ、それも年間14万台強売れたうちの半分以上を占める人気っぷり。だったら日本でも売りましょうよ! となったわけだ。

 つくづくビジネスは予想通りにはいかないもの。オーリスは既に機動戦士ガンダムで有名なシャア専用モデルを出したりと頑張っていたが、今回はイタリアサッカー界で孤軍奮闘する本田圭佑選手を新CMキャラクターとして起用。まさに日本的な賢さと欧州的な強さを併せ持つ、オーリスハイブリッドにピッタリなイメージだ。いろんな意味でタイミングはそろってきてるわけなのだ。

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