【小沢コージの勝手なる予言】キーワードはCASE! メルセデスの戦略が大きく変わり始めた

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 というわけで単純に走りが良くなった、最先端技術が入ったというだけでなく、ある意味Sクラスに次ぐ、メルセデスの最新ショーケースであり、4番バッターになりつつある新型Aクラス。かつてのヒエラルキーを考えると少々戸惑いますが、実はこの戦略を採り入れたのにはもう一つのワケがあります。それは同ブランドの新世代戦略である「CASE」です。

 2016年フランクフルトモーターショーのあたりからディーター・ツェッチェCEOが言い始めたもので、CASEは「コネクティビティ(接続性)」「オートノマス(自動運転)」「シェアードモビリティー(共有サービス)」「エレクトリックモビリティ(電動化技術)」の頭文字を取ったもので、メルセデスがこれらの分野でナンバーワンを目指すことを示しています。

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 これからの自動車界、特にプレミアム分野は間違いなく変わるのです。おそらく走り味以上にクルマの魅力を左右するのはコネクティビティ能力であり、自動運転機能であり、シェアリングや電動化機能。事実、日本仕様にどこまで導入されるか分かりませんが、新型Aクラスは知り合い間で使い回せる「シェアリング機能」を装備。オーナーがクルマを使っていないときに、カギを渡さなくてもスマホ操作だけで他者(知り合い)が使える機能が付いています。

 こういった「新しい体験」今後のメルセデス・ベンツのテイストの核になるわけであり、技術の出し惜しみをしている場合ではないのです。

 もちろん新たにAクラス、Cクラス、Eクラス、Sクラスとあまたあるセグメントをどう格付け・位置づけしていくかを考えなくてはいけないでしょう。でも誰だってiPhoneの格安モデルが、タッチパネルではなく、押しボタン式だったらガッカリするわけで、特に新世代のプレミアムクラスにそれは許されない。

 将来のAクラスとSクラスは「サイズが違うだけ」と言い出す可能性もあると小沢は思っています。あるいはCPUの性能差やパワートレインのパワー差で違いを見せるのかもしれません。

 とにかく未来のクルマ作りは変わっていくのです。それも特にお金をかけられるプレミアムゾーンから間違いなく。

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スタイル★★★★
実用性★★★★★
★★★★★
 

プロフィール

小沢 コージ

自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティ自動車ジャーナリスト。

連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『vividcar』などに寄稿。09年10月から10年3月までTOKYO MXテレビで毎週土曜夜11時に放映した『アンダーステア』のパーソナリティとしても活躍。近著に「アンダーステア DVD Vol.1 スーパースポーツ編」がある。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

ブログ「小沢コージでDON!!」も随時更新。

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